左冠尖からの通電でPVCが消失した後もpreferential pathwayが残存し,その伝導特性の薬効評価を行った流出路起源PVCの1例
症例:20歳女性.4年前に健康診断で心電図異常を認め,近医にて約30,000拍/日の心室性期外収縮を指摘された.左冠尖からの通電で心室性期外収縮は消失したが術後すぐに再発した.その後,動悸症状を認めるようになり,カテーテルアブレーション目的に当院に紹介となった.心室性期外収縮の波形は下方軸,左脚ブロックで胸部誘導の移行帯はV4にあり,下壁誘導におけるpeak deflection indexは0.68であった.左冠尖において心室性期外収縮に53ms先行するprepotentialを認め,高出力ペーシングを行うとperfect pace mapを示し,S-QRSは50msであった.同部位で平均c...
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Published in | Shinzo Vol. 48; no. SUPPL.2; pp. S2_193 - S2_202 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
30.12.2016
Japan Heart Foundation |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.48.S2_193 |
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Summary: | 症例:20歳女性.4年前に健康診断で心電図異常を認め,近医にて約30,000拍/日の心室性期外収縮を指摘された.左冠尖からの通電で心室性期外収縮は消失したが術後すぐに再発した.その後,動悸症状を認めるようになり,カテーテルアブレーション目的に当院に紹介となった.心室性期外収縮の波形は下方軸,左脚ブロックで胸部誘導の移行帯はV4にあり,下壁誘導におけるpeak deflection indexは0.68であった.左冠尖において心室性期外収縮に53ms先行するprepotentialを認め,高出力ペーシングを行うとperfect pace mapを示し,S-QRSは50msであった.同部位で平均contact force 18g,15Wで通電を行うと通電開始3.4秒で心室性期外収縮は消失した.心室性期外収縮消失後も同部位で高出力ペーシングを行うと,通電前と同様にperfect pace mapが得られ,S-QRSは50msであり,preferential pathwayを伝導すると考えられた.ペラパミルの投与ではS-QRSに変化を認めなかったが,シベンゾリンの投与でS-QRSは66msへと延長し,preferential pathwayへ影響を及ぼしたと考えられた.preferential pathwayはNaチャネルに感受性があり,作業心筋から構成される可能性を示すものと思われる. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.48.S2_193 |