Fallot四徴症術後遠隔期にカテコラミン誘発性多形性心室頻拍が疑われICD植込みを行った1例
症例は3歳の男児. 生後6カ月でFallot四徴症 (TOF) に対し修復術施行, 術後高度肺動脈弁逆流 (PR) が残存し加療中であった. 三輪車に乗っている際に心肺停止状態となり, 救急搬送された. 初期波形は心室細動であり, 電気的除細動器により停止するも, 啼泣および興奮時に繰り返し二方向性の心室頻拍 (VT) をきたした. β遮断薬・Ⅰ群薬での治療を試みたが発作抑制されず, 徐脈も著明となり増量困難であった. 心臓電気生理検査では瘢痕は見られず, プログラム刺激でVTは誘発されず, カテコラミン負荷で多源性VTが誘発された. VTは手術切開線と関連無く, 交感神経亢進時に誘発される二...
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Published in | Shinzo Vol. 48; no. SUPPL.1; p. S1_163 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2016
Japan Heart Foundation |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.48.S1_163 |
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Summary: | 症例は3歳の男児. 生後6カ月でFallot四徴症 (TOF) に対し修復術施行, 術後高度肺動脈弁逆流 (PR) が残存し加療中であった. 三輪車に乗っている際に心肺停止状態となり, 救急搬送された. 初期波形は心室細動であり, 電気的除細動器により停止するも, 啼泣および興奮時に繰り返し二方向性の心室頻拍 (VT) をきたした. β遮断薬・Ⅰ群薬での治療を試みたが発作抑制されず, 徐脈も著明となり増量困難であった. 心臓電気生理検査では瘢痕は見られず, プログラム刺激でVTは誘発されず, カテコラミン負荷で多源性VTが誘発された. VTは手術切開線と関連無く, 交感神経亢進時に誘発される二方向性VTで, カテコラミン誘発性多形性心室頻拍 (CPVT) と診断. 薬物治療は限界で高度PRもあり, 開胸下で右室流出路再建術, ICD心外膜リード植込みを行った. 心房ペーシング下でのβ遮断薬内服で, VTの再発は見られていない. TOFにCPVTが合併した稀有な症例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.48.S1_163 |