H. pylori未感染胃粘膜に発生したラズベリー様腺窩上皮型胃癌の一例

「I 緒言」近年Helicobacter pylori(H. pylori)感染率の低下に伴い, H. pylori未感染胃癌の報告が増加している. 今回我々はH. pylori未感染胃粘膜に発生したラズベリー様腺窩上皮型胃癌に対し, 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行した1例を経験したので報告する. 「II 症例」患者: 77歳, 女性. 主訴: 胸やけ, 上腹部痛. 現病歴: 高血圧症と糖尿病で近医通院中, 2か月前から胸やけと上腹部痛が持続するため, 精査加療目的のため当院消化器内科に紹介受診となった. 生活歴: 飲酒; 日本酒100ml/日. 喫煙; なし. 既往歴: 高血圧症,...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 102; no. 1; pp. 74 - 76
Main Authors 宇野, 昭毅, 山川, 俊, 岡田, 侑大, 杵渕, 広志, 酒井, 康行, 絹川, 典子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 30.06.2023
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.102.1_74

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Summary:「I 緒言」近年Helicobacter pylori(H. pylori)感染率の低下に伴い, H. pylori未感染胃癌の報告が増加している. 今回我々はH. pylori未感染胃粘膜に発生したラズベリー様腺窩上皮型胃癌に対し, 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行した1例を経験したので報告する. 「II 症例」患者: 77歳, 女性. 主訴: 胸やけ, 上腹部痛. 現病歴: 高血圧症と糖尿病で近医通院中, 2か月前から胸やけと上腹部痛が持続するため, 精査加療目的のため当院消化器内科に紹介受診となった. 生活歴: 飲酒; 日本酒100ml/日. 喫煙; なし. 既往歴: 高血圧症, 糖尿病. 血液検査所見: HbA1c 6.7%と軽度高値で, それ以外は異常所見を認めなかった. 腫瘍マーカーはCEA 3.5ng/mlと正常範囲内であった. また, H. Pylori IgG抗体は陰性であった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.102.1_74