試験管法と比較したカラム凝集法による抗A/B抗体価時系列変化の有用性

ABO不適合腎移植の患者に対して血漿交換などの治療選択や術前術後の経過観察の評価のため抗A/B抗体価測定が行われる.我々は試験管法(TT)とカラム凝集法(CAT)におけるABOi-LKT患者5名の抗A/B抗体価の経時的推移を比較し,CATの時系列変化における有用性を検討した.時系列変化におけるCATの抗体価推移はTTとほぼ同等の推移を示した.また,脱感作療法実施後の抗体価は低下しており,この変化はTTで得られたものと一致していた.TTからCATへ測定法を変更した後も同等の抗体価モニタリングができる可能性が示唆されたことから,抗A/B抗体価の時系列変化の観察にCATは有用であると考える....

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 71; no. 3; pp. 539 - 544
Main Authors 石原 慶子, 村上 和代, 熊谷 優, 坂本 悠斗, 野村 勇介, 中嶋 萌夏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 25.06.2025
日本輸血・細胞治療学会
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.71.539

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Summary:ABO不適合腎移植の患者に対して血漿交換などの治療選択や術前術後の経過観察の評価のため抗A/B抗体価測定が行われる.我々は試験管法(TT)とカラム凝集法(CAT)におけるABOi-LKT患者5名の抗A/B抗体価の経時的推移を比較し,CATの時系列変化における有用性を検討した.時系列変化におけるCATの抗体価推移はTTとほぼ同等の推移を示した.また,脱感作療法実施後の抗体価は低下しており,この変化はTTで得られたものと一致していた.TTからCATへ測定法を変更した後も同等の抗体価モニタリングができる可能性が示唆されたことから,抗A/B抗体価の時系列変化の観察にCATは有用であると考える.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.71.539