語りの談話の内容と結束性要素としての連接表現の発達:健常児の4こま漫画の説明における談話分析
本研究は,健常児の語りの談話のテクスト分析を行い,情報内容と結束性要素としての連接表現の発達的変化を検討した.5歳児13名,6歳児13名,9・10歳児8名を対象とし,4こま漫画の説明を録音し,転記したテクストを分析した.述部とその項を命題とし,漫画の基準命題を作成した.対象児の基準命題を量的に分析し,テクスト内容の発達的特徴を検討した.次に,連接表現の機能的分類を行い,使用の位置と機能を分析した.結果は,命題数はCA,VA,連接表現の数量と相関があった.5歳児群は語りの量,6歳児群では語りの質において9・10歳児群と比較し十分ではなかった.テクスト構造では,就学前児で連接表現の数量は少ないもの...
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          | Published in | コミュニケーション障害学 Vol. 24; no. 1; pp. 1 - 8 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本コミュニケーション障害学会
    
        30.04.2007
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| ISSN | 1347-8451 1884-7048  | 
| DOI | 10.11219/jjcomdis2003.24.1 | 
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| Summary: | 本研究は,健常児の語りの談話のテクスト分析を行い,情報内容と結束性要素としての連接表現の発達的変化を検討した.5歳児13名,6歳児13名,9・10歳児8名を対象とし,4こま漫画の説明を録音し,転記したテクストを分析した.述部とその項を命題とし,漫画の基準命題を作成した.対象児の基準命題を量的に分析し,テクスト内容の発達的特徴を検討した.次に,連接表現の機能的分類を行い,使用の位置と機能を分析した.結果は,命題数はCA,VA,連接表現の数量と相関があった.5歳児群は語りの量,6歳児群では語りの質において9・10歳児群と比較し十分ではなかった.テクスト構造では,就学前児で連接表現の数量は少ないものの前件と後件の意味を把握した論理的結合が可能であった.しかし,結束性要素の使用では対象児の全群において逆関係の構造が少なかった.語りの談話の発達では経験的知識や推論など認知面と関連した経験が必要であると考えられた. | 
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| ISSN: | 1347-8451 1884-7048  | 
| DOI: | 10.11219/jjcomdis2003.24.1 |