在宅血液透析の自己穿刺でのボタンホール穿刺法の適用について~当院でのボタンホール穿刺のシャント感染率の推移からの考察

在宅血液透析(HHD:Home Hemodialysis)においてバスキュラーアクセス確保は自己穿刺が原則となっている.当院では先端が鈍である針(ダルニードル)を用いたボタンホール(BH:Buttonhole)穿刺を自己穿刺の第一選択としてきた.BH穿刺のシャント感染は穿刺部痂皮の除去や清潔操作などの徹底で予防できると考えていたがシャント感染から全身感染症に進展したBH穿刺のHHD症例を経験し,当院でのHHDにおけるBH穿刺のシャント感染率を調査したところ,施設透析における従来のシャープニードル穿刺やBH穿刺に比し高いことが判明した.その結果を踏まえBH穿刺のHHD患者への適用について再考した...

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Published in日本在宅血液透析学会誌 Vol. 3; no. 2; pp. 54 - 60
Main Author 一色, 啓二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本在宅血液透析学会 28.12.2023
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ISSN2435-2519
DOI10.34505/jshhd.3.2_54

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Summary:在宅血液透析(HHD:Home Hemodialysis)においてバスキュラーアクセス確保は自己穿刺が原則となっている.当院では先端が鈍である針(ダルニードル)を用いたボタンホール(BH:Buttonhole)穿刺を自己穿刺の第一選択としてきた.BH穿刺のシャント感染は穿刺部痂皮の除去や清潔操作などの徹底で予防できると考えていたがシャント感染から全身感染症に進展したBH穿刺のHHD症例を経験し,当院でのHHDにおけるBH穿刺のシャント感染率を調査したところ,施設透析における従来のシャープニードル穿刺やBH穿刺に比し高いことが判明した.その結果を踏まえBH穿刺のHHD患者への適用について再考した.HHDの自己穿刺においてBH穿刺は依然有利な方法であるが,シャント感染を避けるために適用に際しては制約や条件が必要と考える.
ISSN:2435-2519
DOI:10.34505/jshhd.3.2_54