Purkinje線維を起源とする複数の心室期外収縮に対しカテーテルアブレーションを行いelectrical stormを抑制し得た心筋梗塞の1例
症例は45歳男性.心筋梗塞に対する経カテーテルインターベンション施行6日後に同一波形の心室期外収縮(PVC)を契機として心室細動(VF)によるelectrical stormを生じ,緊急高周波カテーテルアブレーション(RFCA)を施行した.PVC(PVC-1)は右脚ブロック+下方軸型で,左脚前枝領域にPVC時のQRSに40ms先行するPurkinje potential(PP)が記録された.同部位を焼灼するとPVC-1は消失しVFも一時的に抑制された.術後,波形の異なるPVC-2(右脚ブロック+水平軸型)に続くVF stormが再発し,再度RFCAを施行.PVC-2は左室中隔領域が最早期興奮部...
Saved in:
Published in | Shinzo Vol. 48; no. SUPPL.2; pp. S2_166 - S2_171 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
30.12.2016
Japan Heart Foundation |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.48.S2_166 |
Cover
Summary: | 症例は45歳男性.心筋梗塞に対する経カテーテルインターベンション施行6日後に同一波形の心室期外収縮(PVC)を契機として心室細動(VF)によるelectrical stormを生じ,緊急高周波カテーテルアブレーション(RFCA)を施行した.PVC(PVC-1)は右脚ブロック+下方軸型で,左脚前枝領域にPVC時のQRSに40ms先行するPurkinje potential(PP)が記録された.同部位を焼灼するとPVC-1は消失しVFも一時的に抑制された.術後,波形の異なるPVC-2(右脚ブロック+水平軸型)に続くVF stormが再発し,再度RFCAを施行.PVC-2は左室中隔領域が最早期興奮部位であり,PVC時にQRSに45ms先行するPPが記録された.同部位での焼灼でPVC-2は消失しESは抑制されたが,その後さらに波形の異なるPVC-3から再度VF stormとなったため3回目のRFCAを施行.PVC-3は僧帽弁輪0時方向の左心室基部近傍が最早期興奮部位であった.同部位を焼灼した結果PVC-3は消失し,以後VFは抑制され独歩退院した.複数のPurkinje起源PVCに対しRFCAを行うことでVF stormを抑制し得た心筋梗塞の1例を報告する. |
---|---|
ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.48.S2_166 |