薬局薬剤師が実践する地域診療所医師へのアカデミック・ディテーリングに期待
患者の安全確保だけでなく,費用対効果を考慮した薬物治療を推進する取り組みは,我が国にとって喫緊の課題である.アカデミック・ディテーリングは「コマーシャルベースではない基礎と臨床のエビデンスを基に,医師に医薬品比較情報を能動的に発信する新たな医薬品情報提供アプローチ」であり,海外では40年前より普及している.アカデミック・ディテーリングを実践するための卒後研修として,基礎薬学の臨床活用,臨床論文の薬学的吟味,資材を活用した処方提案,医師へのコミュニケーション研修を行うアカデミック・ディテーラー養成プログラムの開発を行った.診療所医師への製薬企業の情報提供が制限されている昨今,薬局薬剤師からの情報...
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| Published in | 薬局薬学 Vol. 15; no. 2; pp. 69 - 78 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本薬局学会
2023
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1884-3077 2434-3242 |
| DOI | 10.32160/yakkyoku.ra.2023-4000 |
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| Summary: | 患者の安全確保だけでなく,費用対効果を考慮した薬物治療を推進する取り組みは,我が国にとって喫緊の課題である.アカデミック・ディテーリングは「コマーシャルベースではない基礎と臨床のエビデンスを基に,医師に医薬品比較情報を能動的に発信する新たな医薬品情報提供アプローチ」であり,海外では40年前より普及している.アカデミック・ディテーリングを実践するための卒後研修として,基礎薬学の臨床活用,臨床論文の薬学的吟味,資材を活用した処方提案,医師へのコミュニケーション研修を行うアカデミック・ディテーラー養成プログラムの開発を行った.診療所医師への製薬企業の情報提供が制限されている昨今,薬局薬剤師からの情報提供は追い風にある.薬局薬剤師が患者に最適な薬物治療を臨床意思決定できるスキルを身に付け,アカデミック・ディテーリングを実践することで,処方を最適化し,患者を守ることにつながることを期待したい. |
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| ISSN: | 1884-3077 2434-3242 |
| DOI: | 10.32160/yakkyoku.ra.2023-4000 |