尿の高速液体クロマトグラフィーによるアロプリノール投与効果のモニタリング

アロプリノールが代謝に及ぼす影響を調べる目的で,高速陰イオン交換クロマトグラフィーによるヒト尿中の紫外部吸収成分の分析法について検討した.その結果,塩化アンモニウム-リン酸一アンモニウム-アセトニトリル水溶液を用いる5段階ステップワイズ溶離法を用いればアロプリノール投与で変動すると予想される成分の分離,再現性,定量精度はともに十分であり,代謝に及ぼす影響を調べる手法として使用できることを確認した.次に,この方法で慢性じん不全から尿酸の排せつが障害されて二次性高尿酸血症に至った患者のアロプリノール投与前後の尿を分析し,オキシプリン類の排せつ速度を健常者と比較することにより投薬効果の発現と投与後の...

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Published in分析化学 Vol. 33; no. 7; pp. 376 - 381
Main Authors 山形, 陽, 三浦, 順吉, 高田, 芳矩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 01.07.1984
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.33.7_376

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Summary:アロプリノールが代謝に及ぼす影響を調べる目的で,高速陰イオン交換クロマトグラフィーによるヒト尿中の紫外部吸収成分の分析法について検討した.その結果,塩化アンモニウム-リン酸一アンモニウム-アセトニトリル水溶液を用いる5段階ステップワイズ溶離法を用いればアロプリノール投与で変動すると予想される成分の分離,再現性,定量精度はともに十分であり,代謝に及ぼす影響を調べる手法として使用できることを確認した.次に,この方法で慢性じん不全から尿酸の排せつが障害されて二次性高尿酸血症に至った患者のアロプリノール投与前後の尿を分析し,オキシプリン類の排せつ速度を健常者と比較することにより投薬効果の発現と投与後の経過時間の関係を調べた.これらのことからこの分析法は薬剤投与効果のモニタリングに有用であることが分かった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.33.7_376