慣性センサを用いた深層学習による歩行事象検出に関する基礎的検討
運動機能改善のためのリハビリテーションにおいて,運動機能の測定と評価が重要である.我々の研究グループでは,足部に装着した無線型慣性センサを用いた歩行事象(踵離地,爪先離地,初期接地,足底接地)のタイミングを推定する方法を開発してきた.この歩行事象検出アルゴリズムは足部の角速度を利用してゼロクロスの点や閾値に基づいて推定するものであるが,閾値は被験者毎に調整が必要な場合があり実用性に課題があった.特に片麻痺者において歩行時の信号波形の個人差が大きく,この方法では検出が困難な場合がある.そこで本研究では,歩行事象の自動検出法の開発を目的として畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いる方法の検...
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| Published in | 生体医工学 Vol. Annual58; no. Abstract; p. 412 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2020
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| ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
| DOI | 10.11239/jsmbe.Annual58.412 |
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| Summary: | 運動機能改善のためのリハビリテーションにおいて,運動機能の測定と評価が重要である.我々の研究グループでは,足部に装着した無線型慣性センサを用いた歩行事象(踵離地,爪先離地,初期接地,足底接地)のタイミングを推定する方法を開発してきた.この歩行事象検出アルゴリズムは足部の角速度を利用してゼロクロスの点や閾値に基づいて推定するものであるが,閾値は被験者毎に調整が必要な場合があり実用性に課題があった.特に片麻痺者において歩行時の信号波形の個人差が大きく,この方法では検出が困難な場合がある.そこで本研究では,歩行事象の自動検出法の開発を目的として畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いる方法の検討を行った.本報告では歩行時の慣性センサ信号を固定長の時系列窓に区切り,各時刻に歩行事象のラベルを与えるセマンティックセグメンテーションのモデルを構築した.健常者歩行において,靴に装着した感圧センサを用いて計測した歩行事象を教師信号としてモデルの学習を行い,概ね良好な精度で歩行事象を検出可能であることを示した.今後は片麻痺者歩行に対して検証を行う予定である. |
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| ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
| DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual58.412 |