造血細胞移植前の専門的口腔ケア介入と口腔粘膜障害の重症度との関連について

造血細胞移植後は重度の口腔粘膜障害を認めることが多い。我々が行った造血細胞移植後の専門的口腔ケア(professional oral health care,POHC)介入開始前後における患者の口腔粘膜障害の変化についての調査と,考察した結果を報告する。造血細胞移植を受けた107例について,口腔粘膜障害の重症度に影響する要因を,年齢,性別,移植治療前からのPOHC介入の有無,幹細胞ソース,前処置の強度,移植歴,放射線全身照射量,移植後メトトレキサート(MTX)の有無,performance status(PS),再発リスクで検討し,ロジスティック回帰分析を行った。その結果,口腔粘膜障害には移植...

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Published in日本造血細胞移植学会雑誌 Vol. 4; no. 1; pp. 23 - 30
Main Authors 亀崎, 健次郎, 赤司, 浩一, 今村, 貴子, 赤木, 恵津子, 安部, 喜八郎, 二木, 寿子, 山本, 未陶, 楠田, 詠司
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本造血細胞移植学会 2015
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ISSN2186-5612
DOI10.7889/hct.4.23

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Summary:造血細胞移植後は重度の口腔粘膜障害を認めることが多い。我々が行った造血細胞移植後の専門的口腔ケア(professional oral health care,POHC)介入開始前後における患者の口腔粘膜障害の変化についての調査と,考察した結果を報告する。造血細胞移植を受けた107例について,口腔粘膜障害の重症度に影響する要因を,年齢,性別,移植治療前からのPOHC介入の有無,幹細胞ソース,前処置の強度,移植歴,放射線全身照射量,移植後メトトレキサート(MTX)の有無,performance status(PS),再発リスクで検討し,ロジスティック回帰分析を行った。その結果,口腔粘膜障害には移植前からのPOHC介入の有無(p=0.006オッズ比0.307)と,MTXの有無(p=0.007オッズ比3.291)が関係していた。今回の調査結果は,移植前から行うPOHCや患者への口腔衛生指導が口腔粘膜障害軽減に有効であることを示唆するものであった。
ISSN:2186-5612
DOI:10.7889/hct.4.23