冠動脈血栓吸引術および薬物療法で治癒しえた特発性冠動脈解離によるSTEMIの1例
症例は40歳女性, 失神・胸部絞扼感で救急搬送となり, 12誘導心電図にてⅡ,Ⅲ,aVFでST上昇を認めSTEMIと診断した.緊急冠動脈造影を行い,右冠動脈に血栓を伴う完全閉塞を認めた.血栓吸引術および血栓溶解療法で再灌流し良好な冠血流とST低下が得られた.血管内超音波で残存血栓を認めたためステントを留置せず抗凝固療法・抗血小板療法・ニコランジル持続投与で加療した.その後の精査で冠危険因子,自己免疫性疾患等を認めなかった.第9病日に冠動脈造影および光干渉断層法を施行し,解離のエントリーと血栓閉塞した偽腔を認め特発性冠動脈解離と診断した.フラップ・血栓残存を認めたが冠血流遅延なく保存的加療を続け...
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| Published in | Shinzo Vol. 49; no. SUPPL.1; pp. S1_124 - S1_129 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益財団法人 日本心臓財団
28.08.2017
Japan Heart Foundation |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI | 10.11281/shinzo.49.S1_124 |
Cover
| Summary: | 症例は40歳女性, 失神・胸部絞扼感で救急搬送となり, 12誘導心電図にてⅡ,Ⅲ,aVFでST上昇を認めSTEMIと診断した.緊急冠動脈造影を行い,右冠動脈に血栓を伴う完全閉塞を認めた.血栓吸引術および血栓溶解療法で再灌流し良好な冠血流とST低下が得られた.血管内超音波で残存血栓を認めたためステントを留置せず抗凝固療法・抗血小板療法・ニコランジル持続投与で加療した.その後の精査で冠危険因子,自己免疫性疾患等を認めなかった.第9病日に冠動脈造影および光干渉断層法を施行し,解離のエントリーと血栓閉塞した偽腔を認め特発性冠動脈解離と診断した.フラップ・血栓残存を認めたが冠血流遅延なく保存的加療を続け経過良好であった.今回我々は,血栓吸引術および薬物療法で良好な経過を得られた特発性冠動脈解離を経験したので報告する. |
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| ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI: | 10.11281/shinzo.49.S1_124 |