カテーテルアブレーションにより根治しえた後乳頭筋起源心室頻拍の1例

20年来の動悸症状があり,ベラパミルを定期内服していた50代男性.今回めまいを伴うVT(左軸編位,上方軸,右脚ブロック型)で2回他院救急搬送され,ワソラン,ATP等の抗不整脈薬無効のため,いずれもDC処置を要した.当院でのRFCAを希望され来院.当院のEPSでは,プログラミング刺激で心室頻拍誘発されず.RVからの240bpmの頻回刺激でVFに移行.DCでsinusに復した.VFの原因精査で冠動脈造影を行うも異常.心室頻拍誘発目的でサンリズム12.5mg静注,硫酸アトロピン使用するも誘発されず.ISP負荷後HRAからの頻回刺激で再現性を持ってVT誘発.頻拍中にLVでP1と思われる部位からのペーシ...

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Published inShinzo Vol. 48; no. SUPPL.2; p. S2_158
Main Authors 内田, 文也, 藤井, 英太郎, 西川, 英郎, 加藤, 真史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 30.12.2016
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.48.S2_158

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Summary:20年来の動悸症状があり,ベラパミルを定期内服していた50代男性.今回めまいを伴うVT(左軸編位,上方軸,右脚ブロック型)で2回他院救急搬送され,ワソラン,ATP等の抗不整脈薬無効のため,いずれもDC処置を要した.当院でのRFCAを希望され来院.当院のEPSでは,プログラミング刺激で心室頻拍誘発されず.RVからの240bpmの頻回刺激でVFに移行.DCでsinusに復した.VFの原因精査で冠動脈造影を行うも異常.心室頻拍誘発目的でサンリズム12.5mg静注,硫酸アトロピン使用するも誘発されず.ISP負荷後HRAからの頻回刺激で再現性を持ってVT誘発.頻拍中にLVでP1と思われる部位からのペーシングではconcealed entrainmentは得られず.VTの最早期興奮部位と思われる後乳頭筋近傍の通電で,responseを認めその後VT/VFいずれも誘発不能となった.AVNRT(slow/fast)も認め,一期的にslowpathwayに通電した.本例は心房からの頻回刺激で誘発されたVTで,EPSで誘発されたVFも誘発不能となったことより,乳頭筋起源の心室頻拍としては比較的稀と思われここに報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.48.S2_158