心肺蘇生術により外傷性血気胸, 心タンポナーデのみならず左室流出路狭窄まできたし診断に苦慮した 1例

症例は74歳, 女性. 突然の胸苦のため救急要請し, 救急隊接触時は心停止. 救急隊による一次救命処置 (basic life support ; BLS) にて, 当院到着時には自己心拍再開. 外来検査にてST上昇型急性心筋梗塞と診断し, 緊急心臓カテーテル検査を施行し, 左前下行枝高度狭窄に血行再建を施行. 胸部CTにて縦隔気腫, 広範囲な皮下気腫, 血気胸, フレイルチェストを認めたため, 経皮的冠動脈インターベンション (percutaneous coronary intervention ; PCI) 後に胸腔ドレーンを挿入しICU入室. 心停止後症候群であり低体温療法を導入したが,...

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Published inShinzo Vol. 45; no. SUPPL.2; pp. S2_64 - S2_68
Main Authors 三木, 崇史, 藤田, 慎平, 櫻木, 悟, 山田, 桂嗣, 岡部, 浩太, 山本, 和彦, 田中屋, 真智子, 片山, 祐介, 藤原, 敬士, 宮地, 剛, 川本, 健治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2013
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.45.S2_64

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Summary:症例は74歳, 女性. 突然の胸苦のため救急要請し, 救急隊接触時は心停止. 救急隊による一次救命処置 (basic life support ; BLS) にて, 当院到着時には自己心拍再開. 外来検査にてST上昇型急性心筋梗塞と診断し, 緊急心臓カテーテル検査を施行し, 左前下行枝高度狭窄に血行再建を施行. 胸部CTにて縦隔気腫, 広範囲な皮下気腫, 血気胸, フレイルチェストを認めたため, 経皮的冠動脈インターベンション (percutaneous coronary intervention ; PCI) 後に胸腔ドレーンを挿入しICU入室. 心停止後症候群であり低体温療法を導入したが, 胸腔内出血が持続し出血コントロール困難のため, 短縮プロトコールにて実施した. 血行動態は不安定であり, 大量強心薬および大量輸血, 大量補液施行するもバイタル維持困難であった. ショック状態遷延のため, 経胸壁心エコーによる評価は困難であったため, 経食道エコーを施行した. 収縮能は良好であったが, 左胸腔に血胸を認め, 心タンポナーデによる左室流出路狭窄を生じていた. 左胸腔に直視下に大径胸腔ドレーンを追加したところ短時間で大量血液の排液を認め, 循環動態, 呼吸状態の著明な改善を得た. その後の臨床経過は第 4病日IABP抜去. 第 7病日気管切開術施行. 第10病日胸腔ドレーン抜去. 第20病日高次機能障害. 第28病日一般病棟へ転室. 第98病日人工呼吸器離脱. 第122病日気管孔閉鎖. 第162病日転院. 心肺蘇生術により外傷性血気胸, 心タンポナーデのみならず左室流出路狭窄まできたし診断に苦慮した 1例を経験したので報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.S2_64