Cephaloridine-Lilly点滴静注時の吸収・排泄
Cephaloridine (CER) は, グラム陽性球菌類にすぐれた抗菌作用をもち, 筋注時の疹痛が少なく, 筋注用にふさわしいセファロスポリン剤としてひろく使用されているが, もちろん, 静注も可能であり, 最近の筋注時の局所筋肉障害による後遺症発生例の報告の相次ぐことの影響もあつて, 静注されるばあいが増加しつつある。 私共は, さきにCephalotin (CET-Lilly) について, 注入速度を管理しつつ, できるだけ等速で点滴静注をおこなつたさいの血中濃度の推移を健康成人篤志家について観察した成績1)および全国各施設での実際例の集計2)を発表した。注入速度が動揺しやすいことを...
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 29; no. 12; pp. 1106 - 1110 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
01.12.1976
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ISSN | 0368-2781 2186-5477 |
DOI | 10.11553/antibiotics1968b.29.1106 |
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Summary: | Cephaloridine (CER) は, グラム陽性球菌類にすぐれた抗菌作用をもち, 筋注時の疹痛が少なく, 筋注用にふさわしいセファロスポリン剤としてひろく使用されているが, もちろん, 静注も可能であり, 最近の筋注時の局所筋肉障害による後遺症発生例の報告の相次ぐことの影響もあつて, 静注されるばあいが増加しつつある。 私共は, さきにCephalotin (CET-Lilly) について, 注入速度を管理しつつ, できるだけ等速で点滴静注をおこなつたさいの血中濃度の推移を健康成人篤志家について観察した成績1)および全国各施設での実際例の集計2)を発表した。注入速度が動揺しやすいことを経験し, また測定した血中濃度値から薬動力学的解析をおこない, 一般的な濃度をあらわす式を導き, 投与量・投与時間を知れば点滴開始後一定時間から終了時まで維持されるプラトーを示す血中濃度値を予測することができることを報告した。 CERについて点滴時の血中濃度の推移を観察した成績は, 松本ら3), KIRBY4) らの報告をみる程度であるため, このたび健康成人男子について, CERの点滴静注を注入速度を管理しつつ施行し, 血中濃度測定をおこない, 解析をおこなつたので, その成績を報告する。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.29.1106 |