心肺停止から蘇生したIto-mediated J wave syndromeの1例
症例は40歳, 男性. 生来健康で健康診断は受けていなかった. 安静時に失神・痙攣しているところを家人が発見した. 救急隊現着時は心肺停止状態で, 心肺蘇生を行ったところ, 心室細動が出現し, 除細動施行したが再度心肺停止状態となった. 4分後に自己心拍が再開し当院に搬送された. 入院時心電図でII, III, aVF, V4~6でJ波を認めた. 心エコーや冠動脈造影などで器質的異常は認めなかった. ホルター心電図では徐脈時にJ波が出現し, 頻脈時にはJ波が消失した. 電気生理学的検査では右室心尖部からのプログラム刺激でJ波の上昇が明瞭になり, イソプロテレノール負荷でJ波は消失した. ピルジ...
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| Published in | Shinzo Vol. 41; no. SUPPL.3; pp. S3_47 - S3_53 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2009
Japan Heart Foundation |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI | 10.11281/shinzo.41.S3_47 |
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| Summary: | 症例は40歳, 男性. 生来健康で健康診断は受けていなかった. 安静時に失神・痙攣しているところを家人が発見した. 救急隊現着時は心肺停止状態で, 心肺蘇生を行ったところ, 心室細動が出現し, 除細動施行したが再度心肺停止状態となった. 4分後に自己心拍が再開し当院に搬送された. 入院時心電図でII, III, aVF, V4~6でJ波を認めた. 心エコーや冠動脈造影などで器質的異常は認めなかった. ホルター心電図では徐脈時にJ波が出現し, 頻脈時にはJ波が消失した. 電気生理学的検査では右室心尖部からのプログラム刺激でJ波の上昇が明瞭になり, イソプロテレノール負荷でJ波は消失した. ピルジカイニド負荷では心電図上V1, 2の第2肋間上で有意なcoved型ST上昇を認めた. J波の変動は自律神経に影響されItoの関連が示唆された. Ito-mediated J wave syndromeによると考えられる心肺停止から蘇生した1例を経験した. |
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| ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI: | 10.11281/shinzo.41.S3_47 |