1日の怠薬により心室細動を発症した冠攣縮性狭心症の1例

症例は53歳男性. 平成26年2月に早朝の胸痛を自覚し, 急性冠症候群疑いで冠動脈造影 (CAG) を施行. 有意狭窄を認めず, 病歴上, 冠攣縮性狭心症 (VSA) が疑われた. 心電図では側壁誘導でJ波を認め, T Wave Alternans (TWA) も陽性であった. 同年4月にアセチルコリン負荷試験目的で入院, 負荷前の造影ですでに3枝spasmを認め, 非持続性多形性心室頻拍が出現した. 同時に胸痛, ST上昇も認めVSAと診断した. 退院後1カ月にて, 服薬を忘れた翌朝に胸痛を伴い心室細動 (VF) が出現. 救急車内のAEDではVFは停止せず直近の病院に搬送後, 除細動にて洞...

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Published inShinzo Vol. 47; no. SUPPL.1; pp. S1_79 - S1_86
Main Authors 横山, 泰廣, 藤井, 洋之, 高宮, 智正, 平岡, 昌和, 中村, 玲奈, 櫻田, 春水, 中野, 国晃, 西裕, 太郎, 島田, 博史, 羽田, 泰晃, 李, 基鎬, 清水, 雅人, 山分, 規義, 飯谷, 宗弘, 稲村, 幸洋, 西﨑, 光弘, 山添, 正博, 増田, 怜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2015
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.47.S1_79

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Summary:症例は53歳男性. 平成26年2月に早朝の胸痛を自覚し, 急性冠症候群疑いで冠動脈造影 (CAG) を施行. 有意狭窄を認めず, 病歴上, 冠攣縮性狭心症 (VSA) が疑われた. 心電図では側壁誘導でJ波を認め, T Wave Alternans (TWA) も陽性であった. 同年4月にアセチルコリン負荷試験目的で入院, 負荷前の造影ですでに3枝spasmを認め, 非持続性多形性心室頻拍が出現した. 同時に胸痛, ST上昇も認めVSAと診断した. 退院後1カ月にて, 服薬を忘れた翌朝に胸痛を伴い心室細動 (VF) が出現. 救急車内のAEDではVFは停止せず直近の病院に搬送後, 除細動にて洞調律に復した. 同施設でのCAGにてもspasmを認めた. 当院転院後, 内服投与下でアセチルコリン負荷試験を施行したところ, 右冠動脈の99% spasmが誘発された. spasm解除後, 硝酸薬静注下の電気生理学的検査にて再現性を持ってVFが誘発された. 以上, 薬剤抵抗性のVSAにVFを合併し, Arrythmogenic substrate (不整脈原性基質) の存在を示唆する症例を経験したので報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.47.S1_79