時代を超えて変わらないプライマリ・ヘルスケアの原則 バングラデシュでの体験から

プライマリ・ヘルスケア(PHC)には様々な側面があるが, これからの時代の中で, 変わらない原則のようなものについて, 自分の経験, 主にバングラデシュでの体験から述べてみよう. 私は, 結核対策を縦軸, PHCを横軸に, その接点を自分の主テーマとしてきたので, その点も織り交ぜて述べる. [バングラデシュへの赴任とPHC] 私は1978年から1986年まで, 日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)というNGOからバングラデシュに派遣されて, 地域保健の仕事をNGOの立場から行った. 当時は, バングラデシュは独立して間もなく, まだ国も落ち着かない時で, 世界最貧国と言われるこの国の人々...

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Published in国際保健医療 Vol. 29; no. 2; pp. 93 - 101
Main Author 石川, 信克
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本国際保健医療学会 20.06.2014
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ISSN0917-6543
DOI10.11197/jaih.29.93

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Summary:プライマリ・ヘルスケア(PHC)には様々な側面があるが, これからの時代の中で, 変わらない原則のようなものについて, 自分の経験, 主にバングラデシュでの体験から述べてみよう. 私は, 結核対策を縦軸, PHCを横軸に, その接点を自分の主テーマとしてきたので, その点も織り交ぜて述べる. [バングラデシュへの赴任とPHC] 私は1978年から1986年まで, 日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)というNGOからバングラデシュに派遣されて, 地域保健の仕事をNGOの立場から行った. 当時は, バングラデシュは独立して間もなく, まだ国も落ち着かない時で, 世界最貧国と言われるこの国の人々の健康問題は「下痢」, 「栄養失調」, 「肺炎」が死亡順位の上位を占め, 乳児死亡率も著しく高く, 悲惨であった. 1978年はWHOがPHCを標語にアルマ・アタ宣言を行った年であった.
ISSN:0917-6543
DOI:10.11197/jaih.29.93