直接抗グロブリン試験の標準化 香川県精度管理委員会輸血部門の取り組み

香川県臨床検査技師会は香川県から委託を受け外部精度管理調査を実施している.直接抗グロブリン試験(direct antiglobulin test:DAT)については,県内複数施設からの要望で,検査の標準化・統一化を図る目的で調査項目としている.今回の報告は県内29施設を対象とした2021年度と2022年度の調査となる.香川県では調査試料における各施設の検査結果を評価するとともに,使用試薬などの検査体制についても調査している.調査により香川県下では抗IgG試薬単独でDATを判定している施設があることが判明した.抗IgG試薬単独での検査は,補体感作の有無が検査できておらず,DATとして不十分である...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 70; no. 1; pp. 39 - 44
Main Authors 鬼松, 幸子, 細川, 早織, 平岡, 希実子, 渡邊, 良, 山地, 瑞穂, 宮川, 朱美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 26.02.2024
日本輸血・細胞治療学会
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.70.39

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Summary:香川県臨床検査技師会は香川県から委託を受け外部精度管理調査を実施している.直接抗グロブリン試験(direct antiglobulin test:DAT)については,県内複数施設からの要望で,検査の標準化・統一化を図る目的で調査項目としている.今回の報告は県内29施設を対象とした2021年度と2022年度の調査となる.香川県では調査試料における各施設の検査結果を評価するとともに,使用試薬などの検査体制についても調査している.調査により香川県下では抗IgG試薬単独でDATを判定している施設があることが判明した.抗IgG試薬単独での検査は,補体感作の有無が検査できておらず,DATとして不十分である.2021年度,抗IgG試薬単独施設は補体のみ陽性の調査試料を「陰性」と判定し不正解評価となった.これを機にDATの臨床的意義が理解され,当調査が参加施設における検査体制の是正に効果的であった.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.70.39