慢性心房細動アブレーション後に生じたsinus venosaの機能的障壁を両方向旋回する非通常型心房粗動の1例
症例は72歳, 男性. 慢性心房細動に対する根治希望のため, 2008年1月に肺静脈隔離術を施行した. 左上肺静脈より群発興奮を認め, 肺静脈隔離術を行ったが, 3月に通常型心房粗動が再発したため6月に再入院した. 右房峡部の線状焼灼と肺静脈の再隔離を施行後, 高頻度刺激を入れると非通常型心房粗動 (uAFL) が誘発された. この頻拍をCARTOでマップすると右房のsinus venosa領域にdouble potentialを呈する部位があり, ここが機能的障壁となり, 頻拍はこの周囲を旋回していた. この機能的障壁と下大静脈の間の峡部を線状焼灼すると頻拍は停止した. 再度高頻度刺激を行う...
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| Published in | Shinzo Vol. 41; no. SUPPL.4; pp. S4_92 - S4_99 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2009
Japan Heart Foundation |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI | 10.11281/shinzo.41.S4_92 |
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| Summary: | 症例は72歳, 男性. 慢性心房細動に対する根治希望のため, 2008年1月に肺静脈隔離術を施行した. 左上肺静脈より群発興奮を認め, 肺静脈隔離術を行ったが, 3月に通常型心房粗動が再発したため6月に再入院した. 右房峡部の線状焼灼と肺静脈の再隔離を施行後, 高頻度刺激を入れると非通常型心房粗動 (uAFL) が誘発された. この頻拍をCARTOでマップすると右房のsinus venosa領域にdouble potentialを呈する部位があり, ここが機能的障壁となり, 頻拍はこの周囲を旋回していた. この機能的障壁と下大静脈の間の峡部を線状焼灼すると頻拍は停止した. 再度高頻度刺激を行うと別のuAFLが誘発されたが, この頻拍はsinus venosaの機能的障壁を逆旋回しており, 同じ峡部の焼灼で停止した. 追加焼灼し峡部の完全伝導ブロックラインを形成した. 以後頻拍の再発を認めていない. Sinus venosaを旋回するuAFLは稀であるため報告する. |
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| ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI: | 10.11281/shinzo.41.S4_92 |