小児期に失神で発症し10年後に心室細動と心肺停止をきたした先天性QT延長症候群の1例
症例は22歳女性. 平成13年の学校健診で心室性期外収縮 (PVC) を指摘されていた. 平成15年13歳時に初めて失神をきたした. 心電図上QT時間の延長と頻発するPVCや非持続性心室頻拍 (NSVT) を認め, 入院中に失神を伴う多形性心室頻拍 (PVT) を確認した. 頻発するPVCは単形性であり, 右室流出路起源と考えられた. またNSVTやPVTの開始1拍目はPVCと同一波形であり, PVCが頻拍のトリガーとなっていた. Schwartzの診断基準から先天性QT延長症候群と診断し, β遮断薬を開始した後は症状なく経過した. 平成24年9月外出中突然心肺停止となり, 救急隊の自動体外式...
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          | Published in | Shinzo Vol. 46; no. SUPPL.2; pp. S2_83 - S2_90 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益財団法人 日本心臓財団
    
        2014
     Japan Heart Foundation  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0586-4488 2186-3016  | 
| DOI | 10.11281/shinzo.46.S2_83 | 
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| Summary: | 症例は22歳女性. 平成13年の学校健診で心室性期外収縮 (PVC) を指摘されていた. 平成15年13歳時に初めて失神をきたした. 心電図上QT時間の延長と頻発するPVCや非持続性心室頻拍 (NSVT) を認め, 入院中に失神を伴う多形性心室頻拍 (PVT) を確認した. 頻発するPVCは単形性であり, 右室流出路起源と考えられた. またNSVTやPVTの開始1拍目はPVCと同一波形であり, PVCが頻拍のトリガーとなっていた. Schwartzの診断基準から先天性QT延長症候群と診断し, β遮断薬を開始した後は症状なく経過した. 平成24年9月外出中突然心肺停止となり, 救急隊の自動体外式除細動器で心室細動が確認され2回の電気的除細動にて洞調律に復帰した. 近医で急性期治療が行われ, 後遺症なく退院した. その後, 当科で頻拍のトリガーとなり得る右室流出路起源のPVCに対してカテーテルアブレーションを行い, 続いて植込み型除細動器 (ICD) 植え込み術を行った. 小児に対するICD植え込み術の症例は少なく, その多くが突然死の二次予防である. 本症例も10年間のICD適応Class IIa状態を経て, Class IとなりICDを植え込んだ. 先天性QT延長症候群に対するICDの適応とそのタイミングについて, さらに先天性QT延長症候群に合併したPVCに対するアブレーションについて考察を加え報告する. | 
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| ISSN: | 0586-4488 2186-3016  | 
| DOI: | 10.11281/shinzo.46.S2_83 |