術中神経モニタリングの導入と実践レポート 当院の経験から

当院の術中神経モニタリング (intraoperative neurophysiological monitorring; IONM) の導入について報告した。われわれは術式や疾患によりIONMの項目を選定し, 必ず複数のマルチモダリティIONMを試みている。IONMの準備では他職種と一緒でも, 躊躇せず積極的に対応する必要がある。雑音 (ノイズ) の混入を防いで, きれいなモニタリング波形を得るために, 記録電極は可能な限り針電極を使用し, 電極のリード線を束ね, 大電流が発生する医療機器から電極ボックスを遠ざけることが大切である。そして, デジタル平均加算はノイズと同期しない周波数に設定し...

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Published in臨床神経生理学 Vol. 52; no. 1; pp. 11 - 20
Main Authors 土谷, 幸平, 齊藤, 寛浩, 高嶋, 浩一, 三輪, 道生, 星野, 隼也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床神経生理学会 01.02.2024
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ISSN1345-7101
2188-031X
DOI10.11422/jscn.52.11

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Summary:当院の術中神経モニタリング (intraoperative neurophysiological monitorring; IONM) の導入について報告した。われわれは術式や疾患によりIONMの項目を選定し, 必ず複数のマルチモダリティIONMを試みている。IONMの準備では他職種と一緒でも, 躊躇せず積極的に対応する必要がある。雑音 (ノイズ) の混入を防いで, きれいなモニタリング波形を得るために, 記録電極は可能な限り針電極を使用し, 電極のリード線を束ね, 大電流が発生する医療機器から電極ボックスを遠ざけることが大切である。そして, デジタル平均加算はノイズと同期しない周波数に設定して行うとよい。また, 持続電気刺激による誘発筋電図では, より神経への密着性が高い脳綿電極を使用することにより, 安定した電気刺激が可能である。IONM波形の判定では運動誘発電位単独では偽陽性, 偽陰性になる可能性があるため, 他の誘発電位を用いて相補的に判断をすることが重要である。
ISSN:1345-7101
2188-031X
DOI:10.11422/jscn.52.11