COVID-19感染流行期における理想的な臓器摘出を創出するためのアンケート調査の結果—厚生労働科学特別研究事業による調査研究

「I. はじめに」COVID-19の世界的感染流行によって, われわれの日常は大きく様変わりしている. 本邦は海外と比べると, 感染者数や死亡者数が少ないものの, 外科手術などの一般医療への影響も懸念されている. 本邦の移植医療は, 2010年の改正臓器の移植に関する法律の施行以降, 臓器提供が増加傾向にあり, 2019年は過去最高の98件の脳死臓器提供が行われた. しかしながらCOVID-19感染流行は, 救急・集中医療がひっ迫する中, 臓器提供数にも影響を与えることが懸念されるだけでなく, 免疫抑制下で集中治療管理を要する移植手術の実施へも大きく影響を与える可能性がある. そこで, われわ...

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Published in移植 Vol. 56; no. 4; pp. 405 - 412
Main Authors 剣持, 敬, 江口, 晋, 江川, 裕人, 太田, 充彦, 蔵満, 薫, 湯沢, 賢治, 木下, 修, 伊藤, 泰平, 曽山, 明彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2021
日本移植学会
Subjects
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.56.4_405

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Summary:「I. はじめに」COVID-19の世界的感染流行によって, われわれの日常は大きく様変わりしている. 本邦は海外と比べると, 感染者数や死亡者数が少ないものの, 外科手術などの一般医療への影響も懸念されている. 本邦の移植医療は, 2010年の改正臓器の移植に関する法律の施行以降, 臓器提供が増加傾向にあり, 2019年は過去最高の98件の脳死臓器提供が行われた. しかしながらCOVID-19感染流行は, 救急・集中医療がひっ迫する中, 臓器提供数にも影響を与えることが懸念されるだけでなく, 免疫抑制下で集中治療管理を要する移植手術の実施へも大きく影響を与える可能性がある. そこで, われわれは, 令和2年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(厚生労働科学特別研究事業)新型コロナウイルス感染症流行時に移植実施施設において脳死下・心停止下臓器移植医療を維持推進するための調査研究の一部として, COVID-19流行期の臓器提供, 移植医療の現状を調査し報告した.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.56.4_405