心肺停止蘇生後に診断に至った不整脈源性右室心筋症 (ARVC) の1例

症例は50歳代の女性. 2007年健診にて心電図 (ECG) 異常を指摘された. 心臓超音波検査 (UCG) では, 中等度~重度の三尖弁閉鎖不全と右心系の拡大を認めた. 症状は労作と関係のない軽い息切れを時々認めるのみで, 年1回のUCGにて経過観察されていた. 2014年エアロビ中に突然心肺停止となった. ECG, UCGでは右室負荷所見を認めたが, 造影CTにて肺動脈血栓塞栓症は否定的であった. 上記所見に加え, 突然の心室細動を起こした症例であり, 不整脈源性右室心筋症 (ARVC) が疑われた. 心筋生検病理像にて心筋組織に混在した脂肪組織を認め, ARVCの診断に至った. ARVC...

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Published inShinzo Vol. 47; no. SUPPL.1; pp. S1_12 - S1_18
Main Authors 冨士田, 康宏, 山科, 章, 矢崎, 義直, 五関, 善成, 冨山, 博史, 寳田, 顕, 嘉澤, 脩一郎, 朴, 有紀, 近森, 大志郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2015
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.47.S1_12

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Summary:症例は50歳代の女性. 2007年健診にて心電図 (ECG) 異常を指摘された. 心臓超音波検査 (UCG) では, 中等度~重度の三尖弁閉鎖不全と右心系の拡大を認めた. 症状は労作と関係のない軽い息切れを時々認めるのみで, 年1回のUCGにて経過観察されていた. 2014年エアロビ中に突然心肺停止となった. ECG, UCGでは右室負荷所見を認めたが, 造影CTにて肺動脈血栓塞栓症は否定的であった. 上記所見に加え, 突然の心室細動を起こした症例であり, 不整脈源性右室心筋症 (ARVC) が疑われた. 心筋生検病理像にて心筋組織に混在した脂肪組織を認め, ARVCの診断に至った. ARVCは症状が乏しく早期診断が困難な場合もあり, 初発症状が心室細動の1例を経験したので報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.47.S1_12