HLAの基礎知識3

HLA検査には, 患者が保有するHLAアリルを確定するHLA(抗原またはDNA)タイピングと, 妊娠, 輸血, 移植により非自己HLA抗原に感作された場合に産生される抗体を検出する抗HLA抗体検査があります. それぞれ複数の検査方法が考案され, 現在は一部を除いてキット商品が存在します. 今回は, 各検査方法の概要と, キットを用いた場合のロット変更時等の精度管理について簡潔に述べることにします. 「はじめに」今回はHLA検査の導入を考える場合を想定し, 各検査方法の特徴を理解し, 導入後に検討すべき事項等について, キット使用を前提に解説します. 数ある臨床検査のなかでも, HLA検査は特に...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inMHC(日本組織適合性学会誌) Vol. 24; no. 1; pp. 38 - 45
Main Author 小川, 公明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本組織適合性学会 2017
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2186-9995
2187-4239
DOI10.12667/mhc.24.38

Cover

More Information
Summary:HLA検査には, 患者が保有するHLAアリルを確定するHLA(抗原またはDNA)タイピングと, 妊娠, 輸血, 移植により非自己HLA抗原に感作された場合に産生される抗体を検出する抗HLA抗体検査があります. それぞれ複数の検査方法が考案され, 現在は一部を除いてキット商品が存在します. 今回は, 各検査方法の概要と, キットを用いた場合のロット変更時等の精度管理について簡潔に述べることにします. 「はじめに」今回はHLA検査の導入を考える場合を想定し, 各検査方法の特徴を理解し, 導入後に検討すべき事項等について, キット使用を前提に解説します. 数ある臨床検査のなかでも, HLA検査は特に専門知識が要求される検査です. しかし, HLA検査の結果が臨床の場に与える影響を鑑みると, たとえ初心者であっても, 結果の正確性, つまり高精度な結果を出すことに妥協は許されません. これまで解説してきたHLAの特徴を理解し, 使用するキットの説明書を諳んじる位に熟読し実施することが特に大切です.
ISSN:2186-9995
2187-4239
DOI:10.12667/mhc.24.38