急性期一般病棟における看護師の認知症高齢者への共感に関連する要因

看護師の認知症高齢者への共感の程度とそれに関連する要因を明らかにするため,急性期一般病棟において看護師1,064名を対象に自記式質問紙調査を行った。回収率は70.7%であった。対象者の平均経験年数は10.8±9.2年であった。EESRの結果は,共有経験得点が平均値32.55(9.95),共有不全経験得点は平均値31.45(10.25)であった。共感に関連した要因は,認知症高齢者と自分とのかかわりを振り返ること,認知症高齢者の身体面や社会面のアセスメントの仕方,認知症高齢者とのコミュニケーションの得手不得手,認知症高齢者の看護を行ううえでの医療従事者間のチームワークであった。EESRと個人の特性...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 39; no. 1; pp. 1_33 - 1_42
Main Authors 川島, 和代, 小田, 沙矢香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 2016
Japan Society of Nursing Research
Subjects
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20151118004

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Summary:看護師の認知症高齢者への共感の程度とそれに関連する要因を明らかにするため,急性期一般病棟において看護師1,064名を対象に自記式質問紙調査を行った。回収率は70.7%であった。対象者の平均経験年数は10.8±9.2年であった。EESRの結果は,共有経験得点が平均値32.55(9.95),共有不全経験得点は平均値31.45(10.25)であった。共感に関連した要因は,認知症高齢者と自分とのかかわりを振り返ること,認知症高齢者の身体面や社会面のアセスメントの仕方,認知症高齢者とのコミュニケーションの得手不得手,認知症高齢者の看護を行ううえでの医療従事者間のチームワークであった。EESRと個人の特性や物理的環境とは有意な関連が認められなかったことから,共感に関連する要因は,看護の経験や学習のなかで培われた能力,職場の人的環境のように,意識することで変えられるものであることが明らかとなった。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20151118004