喀血診療指針

「はじめに」 喀血という症候はさまざまな原因により出現し, 程度によっては生命を脅かす重篤な病態の一因となります. しかし, これまでその症候に対する網羅的な議論に基づく診療指針といったものは示されていません. 医師・医療従事者として極めて身近な症候であるこの喀血についての議論が深まらなかった原因は, 基礎疾患が多彩であるといった症候自体の特性に加え, 喀血の基礎疾患を診療する専門分野が分かれていることから合議する機会に恵まれなかったといった, 医療を取り巻く環境にも一因があるのではないかと考えられます. このような背景を鑑み, 喀血を呈する患者を診療する場合に必要となる知見について, 診療科...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 46; no. 6; pp. 317 - 380
Main Author 丹羽崇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 25.11.2024
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.46.6_317

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Summary:「はじめに」 喀血という症候はさまざまな原因により出現し, 程度によっては生命を脅かす重篤な病態の一因となります. しかし, これまでその症候に対する網羅的な議論に基づく診療指針といったものは示されていません. 医師・医療従事者として極めて身近な症候であるこの喀血についての議論が深まらなかった原因は, 基礎疾患が多彩であるといった症候自体の特性に加え, 喀血の基礎疾患を診療する専門分野が分かれていることから合議する機会に恵まれなかったといった, 医療を取り巻く環境にも一因があるのではないかと考えられます. このような背景を鑑み, 喀血を呈する患者を診療する場合に必要となる知見について, 診療科を跨いで幅広く議論することを目的として, 日本呼吸器内視鏡学会学術委員会のもと, 呼吸器内科, 呼吸器外科の専門医のほか, 放射線科および救急集中治療領域の専門医が参集した「喀血ガイドライン作成ワーキンググループ」が2021年に発足し, 「指針」という形で喀血に対する知見をまとめることとなりました.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.46.6_317