医用マイクロロボットはコウノトリの夢を見るか

体外受精で生まれる子どもは年々増え,現在,約16人に1人となっている.体外受精は,精子と卵子を体外にとりだして受精させた胚を子宮に戻して妊娠させる治療であるが,妊娠成功率が低いこと,および,母子の生命に危険をもたらす異所性妊娠のリスクが高まることが課題となっている.治療の反復は,特に女性にとって肉体的,精神的な負担を伴うことや,高額な治療費による経済的負担から,途中で治療を諦めざるを得ないカップルも多い.妊娠成功率を下げ,異所性妊娠のリスクを高める原因の1 つとして,子宮内に移植された胚が浮遊し,着床に適した部位に留まらないことが考えられる.本講演では,この問題を解決するために,胚を着床に最適...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 144
Main Author 池内, 真志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual59.144

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Summary:体外受精で生まれる子どもは年々増え,現在,約16人に1人となっている.体外受精は,精子と卵子を体外にとりだして受精させた胚を子宮に戻して妊娠させる治療であるが,妊娠成功率が低いこと,および,母子の生命に危険をもたらす異所性妊娠のリスクが高まることが課題となっている.治療の反復は,特に女性にとって肉体的,精神的な負担を伴うことや,高額な治療費による経済的負担から,途中で治療を諦めざるを得ないカップルも多い.妊娠成功率を下げ,異所性妊娠のリスクを高める原因の1 つとして,子宮内に移植された胚が浮遊し,着床に適した部位に留まらないことが考えられる.本講演では,この問題を解決するために,胚を着床に最適な位置に運び,保護する「胚移植マイクロロボット」研究の最前線を紹介する.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.144