全国の訪問看護ステーションにおける病院との連携に関する調査 : 患者の円滑な退院に向けた取り組みに焦点を当てて

目的:訪問看護ステーション(ST)が患者の円滑な退院のために病院と行っている連携の実態と,連携を実施しているSTの特徴を明らかにすることを目的とした.方法:全国の3,578か所のSTに調査票を送付し,郵送により1,188通を回収(回収率33.2%)し,すべてを有効回答とした.結果:入院患者の情報共有のために定期的に病院を訪問しているのは468か所で,このうち,病棟を定期的にラウンドしているのが219か所,入院患者に関する病院内の会議への定期参加が171か所,入院患者に関する病棟カンファレンスへの定期参加が145か所であった.病院訪問をしているSTの特徴は,開設主体が医療法人,同一法人内に病院....

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Published in日本地域看護学会誌 Vol. 14; no. 1; pp. 40 - 48
Main Authors 廣田, 真由美, 山居, 優子, 戸村, ひかり, 永田, 智子, 田口, 敦子, 石塚, 裕美子, 草刈, 由美子, 村嶋, 幸代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地域看護学会 30.09.2011
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ISSN1346-9657
2432-0803
DOI10.20746/jachn.14.1_40

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Summary:目的:訪問看護ステーション(ST)が患者の円滑な退院のために病院と行っている連携の実態と,連携を実施しているSTの特徴を明らかにすることを目的とした.方法:全国の3,578か所のSTに調査票を送付し,郵送により1,188通を回収(回収率33.2%)し,すべてを有効回答とした.結果:入院患者の情報共有のために定期的に病院を訪問しているのは468か所で,このうち,病棟を定期的にラウンドしているのが219か所,入院患者に関する病院内の会議への定期参加が171か所,入院患者に関する病棟カンファレンスへの定期参加が145か所であった.病院訪問をしているSTの特徴は,開設主体が医療法人,同一法人内に病院.介護老人保健施設あり,緊急時訪問看護加算等の届け出あり,常勤の看護職数が多い,であった.病院の退院支援担当者としての業務を行っているのは295か所で,ほとんどが病院から個別ケースについての依頼を受けて実施していたが,病院を定期訪問したり駐在したりして実施しているSTもあった.退院支援担当者の業務をしているSTの特徴は,重症者管理加算の算定あり,常勤の看護職数が多い,医療保険による訪問看護の延べ訪問回数が多い,であった.考察:STの規模や重症者への対応状況が病院との連携に関連していた.今後は,これらの業務を行うためのコストとその効果を明らかにし,連携のあり方について検討していく必要がある.
ISSN:1346-9657
2432-0803
DOI:10.20746/jachn.14.1_40