レーザーアブレーションICP-MSによるナノ粒子のイメージング分析法の開発

レーザーアブレーション試料導入法を組み合わせたICP質量分析計(LA-ICP-MS)を用いることで,固体試料におけるナノ粒子の粒径分析に加え,分布情報(イメージ)を引き出すことが可能である.ICP-MSを用いた計測では,ナノ粒子から得られる信号は短時間かつ高い計数率を有するパルス状の信号として検出されるため,ナノ粒子の信号は溶液噴霧導入で得られる平滑した信号と区別して計測できる.この特徴を利用することで,分析対象元素の存在形態(ナノ粒子あるいは溶存体)を区別してのイメージング分析が行える.そこで本研究では,分析試料としてタマネギの細胞組織を用い,60 nmのAgナノ粒子を1日間暴露したのちにA...

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Published inBunseki kagaku Vol. 68; no. 1; pp. 1 - 7
Main Authors 平田, 岳史, 鈴木, 敏弘, 山下, 修司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 公益社団法人 日本分析化学会 05.01.2019
Japan Science and Technology Agency
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.68.1

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Summary:レーザーアブレーション試料導入法を組み合わせたICP質量分析計(LA-ICP-MS)を用いることで,固体試料におけるナノ粒子の粒径分析に加え,分布情報(イメージ)を引き出すことが可能である.ICP-MSを用いた計測では,ナノ粒子から得られる信号は短時間かつ高い計数率を有するパルス状の信号として検出されるため,ナノ粒子の信号は溶液噴霧導入で得られる平滑した信号と区別して計測できる.この特徴を利用することで,分析対象元素の存在形態(ナノ粒子あるいは溶存体)を区別してのイメージング分析が行える.そこで本研究では,分析試料としてタマネギの細胞組織を用い,60 nmのAgナノ粒子を1日間暴露したのちにAgナノ粒子及びAg溶存成分のイメージング分析を行った.分析の結果,ナノ粒子,溶存成分ともに細胞内に浸透しており,溶存成分は細胞壁に濃集していることが明らかとなった.本論文では,データの可視化の手法や,ナノ粒子と溶存成分の弁別法について言及する.
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.68.1