在宅における食支援 在宅嚥下内視鏡検査 (VE) を含めた当院食支援チームの取り組み

在宅における食支援とは『終末期に絶食とせず, 亡くなるまで口から食べることを支援する取り組み』といわれ, 多職種での連携した支援が重要となる. 当院は在宅医療支援診療所として診療を行う中で, 耳鼻咽喉科医と言語聴覚士 (ST: Speech-Language-Hearing Therapist), 管理栄養士からなる食支援チームをつくり, 在宅での嚥下内視鏡検査 (VE: videoendoscopic evaluation of swallowing) を含めた食支援に取り組んでいる. 2018年4月から2023年5月までに当院で実施した在宅 VE 57例を調査し, 検査体制の工夫や今後の課...

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Published in日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 127; no. 8; pp. 927 - 935
Main Authors 鶴田, 友梨, 今坂, 繭子, 福本, 和彦, 榎本, 美紀, 瀬藤, 琴音
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 20.08.2024
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
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ISSN2436-5793
2436-5866
DOI10.3950/jibiinkotokeibu.127.8_927

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Summary:在宅における食支援とは『終末期に絶食とせず, 亡くなるまで口から食べることを支援する取り組み』といわれ, 多職種での連携した支援が重要となる. 当院は在宅医療支援診療所として診療を行う中で, 耳鼻咽喉科医と言語聴覚士 (ST: Speech-Language-Hearing Therapist), 管理栄養士からなる食支援チームをつくり, 在宅での嚥下内視鏡検査 (VE: videoendoscopic evaluation of swallowing) を含めた食支援に取り組んでいる. 2018年4月から2023年5月までに当院で実施した在宅 VE 57例を調査し, 検査体制の工夫や今後の課題を検討するとともに, 当院食支援チームの活動内容について報告する. 患者背景は男 : 女=28 : 29, 平均年齢81.9歳, 要介護3以上75.4%, 主疾患名は脳血管障害が最多で, 3分の1に代替栄養が取り入れられていた. 結果「誤嚥のリスクあり」(兵頭スコア中等度以上) 63.1%, 平均診療 (患家滞在) 時間62.3分, 平均 VE 所要時間16.6分, 介入した ST による訪問リハビリ15例・訪問栄養指導12例であった. ST や管理栄養士とともに検査を行うことは, 医師の検査当日の患家滞在時間の短縮および帰院後の仕事量減少に繋がった. 在宅 VE をより広めるためにも, 院外実施加算や (他職種が算定できる) VE 同席加算など, 診療報酬の新設に期待したい.
ISSN:2436-5793
2436-5866
DOI:10.3950/jibiinkotokeibu.127.8_927