認知症を有する人の退院支援ニーズ評価尺度の開発とその信頼性・妥当性の検討
目的:認知症を有する人の退院後の生活上のニーズを包括的にアセスメントするための認知症退院支援ニーズ評価尺度を開発し,その信頼性と妥当性を検証する.方法:1)予備調査:文献レビューならびに認知症の人の家族介護者4人,地域包括支援センター専門職4人,研究者3人を対象にインタビューを実施し,暫定版尺度を作成した.2)本調査:A市の一般病院退院支援部署専門職200人,地域包括支援センター専門職492人,保健センター保健師90人を対象に無記人質問紙調査(郵送法)を実施し,暫定版尺度の信頼性と妥当性を検証のうえ,完成版尺度を確定した.結果:22項目4因子構造からなる認知症退院支援ニーズ評価尺度(第1因子:...
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Published in | 日本地域看護学会誌 Vol. 15; no. 2; pp. 18 - 26 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本地域看護学会
31.12.2012
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Subjects | |
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ISSN | 1346-9657 2432-0803 |
DOI | 10.20746/jachn.15.2_18 |
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Summary: | 目的:認知症を有する人の退院後の生活上のニーズを包括的にアセスメントするための認知症退院支援ニーズ評価尺度を開発し,その信頼性と妥当性を検証する.方法:1)予備調査:文献レビューならびに認知症の人の家族介護者4人,地域包括支援センター専門職4人,研究者3人を対象にインタビューを実施し,暫定版尺度を作成した.2)本調査:A市の一般病院退院支援部署専門職200人,地域包括支援センター専門職492人,保健センター保健師90人を対象に無記人質問紙調査(郵送法)を実施し,暫定版尺度の信頼性と妥当性を検証のうえ,完成版尺度を確定した.結果:22項目4因子構造からなる認知症退院支援ニーズ評価尺度(第1因子:日常生活機能,第2因子:医療・介護サービス,第3因子:地域生活と社会交流,第4因子:家族機能と意向)が開発され,尺度全体のCronbach's αは0.897,下位尺度は0.696〜0.855であった.また尺度全体とCamberwell Assessment of Need for the ElderlyにおけるPearsonの相関係数は0.701(p<0.001)であった.考察:認知症退院支援ニーズ評価尺度は,認知症を有する人の退院後の生活上のニーズを包括的にアセスメントする信頼性と妥当性を有した尺度である.本尺度の活用による良質な退院支援体制の推進が望まれる. |
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ISSN: | 1346-9657 2432-0803 |
DOI: | 10.20746/jachn.15.2_18 |