視覚探索における探索時間に影響を与える要因の解析

ヒトは膨大な視覚情報の中から特定のターゲットを素早く探し出すことができる.ヒックの法則によると探索時間は文字数の対数に比例する.つまり,文字数の増加に対して探索時間はそれほど増加せず,視覚探索は効率化されている.しかし,ヒトが効率的に探索を行うメカニズムは未だ解明されていない.本研究の目的は,視覚探索において何が探索時間に影響を与えているのかを解明することである.この目的のため,これまでに実施された視覚探索実験データのうち,参加者がターゲットを発見できたデータに注目し解析した.その結果,探索開始時の注視点とターゲット間の距離は探索時間に影響しないことが示唆された.また,固視微動継続時間と探索時...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 500
Main Authors 塚田, 章, 橋本, 帆波, 野村, 泰伸, 前田, 義信, 松井, 瑞季, 小澤, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual59.500

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Summary:ヒトは膨大な視覚情報の中から特定のターゲットを素早く探し出すことができる.ヒックの法則によると探索時間は文字数の対数に比例する.つまり,文字数の増加に対して探索時間はそれほど増加せず,視覚探索は効率化されている.しかし,ヒトが効率的に探索を行うメカニズムは未だ解明されていない.本研究の目的は,視覚探索において何が探索時間に影響を与えているのかを解明することである.この目的のため,これまでに実施された視覚探索実験データのうち,参加者がターゲットを発見できたデータに注目し解析した.その結果,探索開始時の注視点とターゲット間の距離は探索時間に影響しないことが示唆された.また,固視微動継続時間と探索時間には低い相関があることが分かった.実験の実施においては新潟大学倫理委員会の承認を得た(平成28年9月26日).利益相反はない.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.500