4次元情報を活用した複数の視点を持つ手術ナビゲーションシステムの開発

われわれが20年以上にわたり開発してきた複数の手術ナビゲーションシステムにおける重要な機能は、術者が目に見えない術野内部の立体構造を術者の視覚に直感的な情報として供給する機能であった。この開発研究の結果、腹部外科など複数の外科領域での臨床において、その有用性を検討してきた。そしてわれわれが次に目指す,手術ナビゲーションシステムの機能として以下の2つの機能を持つシステム開発を開始した。その1つ目は複数の眼を持つナビゲーションシステムの構築である。実際の手術進行では、術者だけでなく共同作業する複数の医師の視点それぞれにナビゲーション画像が必要だからである。2つ目は手術進行に添った切開、切除により刻...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 529
Main Authors 岡本, 友好, 坂井, 滋和, 服部, 麻木, 半田, 晴久, 鈴木, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual59.529

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Summary:われわれが20年以上にわたり開発してきた複数の手術ナビゲーションシステムにおける重要な機能は、術者が目に見えない術野内部の立体構造を術者の視覚に直感的な情報として供給する機能であった。この開発研究の結果、腹部外科など複数の外科領域での臨床において、その有用性を検討してきた。そしてわれわれが次に目指す,手術ナビゲーションシステムの機能として以下の2つの機能を持つシステム開発を開始した。その1つ目は複数の眼を持つナビゲーションシステムの構築である。実際の手術進行では、術者だけでなく共同作業する複数の医師の視点それぞれにナビゲーション画像が必要だからである。2つ目は手術進行に添った切開、切除により刻々と変化する術野の構造を捕捉し、リアルタイムにこれを術者に認知させる機能の付加である。術野の時間変化をともなう3次元情報、すなわち4次元情報を活用した手術ナビゲーションシステムの開発を開始した。2つの機能を実現すべく、レーザ測距法によって深度マップを高速に作成できる小型システム(Intel LiDAR Camera L515など)を各術者の立ち位置や頭部などに設置して基礎実験を行なった。医師それぞれの視点からのその時点での術野表面形状を取得し,これに術野内部構造を重畳して各術者に供給する画像の精度等を確認しつつ、システムの改良を行っている。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.529