生活習慣病ハイリスク者における継続可能性の高い行動変容に向けた行政保健師の支援方法の明確化に関する質的帰納的研究

目的:本研究の目的は,生活習慣病ハイリスク者における継続可能性の高い行動変容に向けた行政保健師の支援方法を明らかにすることである.方法:生活習慣病予防の支援経験を有する行政保健師4人を対象に,生活習慣病ハイリスク者の支援にあたり継続可能性の高い行動変容に向けて行った支援とはどのようなものだったかについて,インタビューガイドを用いた半構成的面接法にて個別インタビュー調査を実施し,質的帰納的に分析した.結果:分析の結果,42の<サブカテゴリー>,9つの《カテゴリー》,2つの【コアカテゴリー】が抽出された.行政保健師は,生活習慣病ハイリスク者に対し,《生活の客観視を促す》や《生活パターン...

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Published in日本地域看護学会誌 Vol. 17; no. 3; pp. 51 - 59
Main Authors 今松, 友紀, 田髙, 悦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地域看護学会 31.03.2015
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ISSN1346-9657
2432-0803
DOI10.20746/jachn.17.3_51

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Summary:目的:本研究の目的は,生活習慣病ハイリスク者における継続可能性の高い行動変容に向けた行政保健師の支援方法を明らかにすることである.方法:生活習慣病予防の支援経験を有する行政保健師4人を対象に,生活習慣病ハイリスク者の支援にあたり継続可能性の高い行動変容に向けて行った支援とはどのようなものだったかについて,インタビューガイドを用いた半構成的面接法にて個別インタビュー調査を実施し,質的帰納的に分析した.結果:分析の結果,42の<サブカテゴリー>,9つの《カテゴリー》,2つの【コアカテゴリー】が抽出された.行政保健師は,生活習慣病ハイリスク者に対し,《生活の客観視を促す》や《生活パターンに合った改善方法を見いだす》《改善の効果を感じる力を養う》などの【自己の生活調整力を高める支援】と《家族の健康観・生活観を考慮する》や《周囲に対する改善の意思表示の仕方を検討する》《健康に関する役割を付与する》などの【周囲との関係調整力を高める支援】を行っていた.考察:行政保健師が実施する継続可能性の高い行動変容に向けた支援とは,【自己の生活調整力を高める支援】と【周囲との関係調整力を高める支援】から成り立ち,生活習慣病ハイリスク者個人のセルフケア能力の向上を助けるとともに,地域全体の健康づくりの人材としてとらえ,地域環境の変容への参加を促す支援であった.
ISSN:1346-9657
2432-0803
DOI:10.20746/jachn.17.3_51