看護学実習における教授活動に関する研究 : 教員特性と教授活動の関係に焦点を当てて

本研究は,看護学実習における教授活動の質の現状を明らかにし,その質に関わる教員特性を探索することにより,効果的な看護学実習を展開できる教師教育について検討することを目的とした。無作為抽出した全国の3年課程の看護専門学校の教員505名を対象に,郵送法による質問紙調査を行い,有効回答353を分析した。その結果,わが国の看護専門学校の教員の約20%が,質の高い教授活動を行っていると認識している状況が明らかになった。さらに教員は,学生や患者への態度など情意領域の教授活動に関して充実していると認識しており,その一方で,教授技術の活用,理論や研究の活用など認知および精神運動領域の教授活動については充実して...

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Published in看護教育学研究 Vol. 5; no. 1; pp. 22 - 40
Main Authors 舟島, なをみ, 杉森, みど里, 小川, 妙子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護教育学学会 1996
Japan Academic Society of Nursing Education
Subjects
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ISSN0917-6314
2432-0242
DOI10.19015/jasne.5.1_22

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Summary:本研究は,看護学実習における教授活動の質の現状を明らかにし,その質に関わる教員特性を探索することにより,効果的な看護学実習を展開できる教師教育について検討することを目的とした。無作為抽出した全国の3年課程の看護専門学校の教員505名を対象に,郵送法による質問紙調査を行い,有効回答353を分析した。その結果,わが国の看護専門学校の教員の約20%が,質の高い教授活動を行っていると認識している状況が明らかになった。さらに教員は,学生や患者への態度など情意領域の教授活動に関して充実していると認識しており,その一方で,教授技術の活用,理論や研究の活用など認知および精神運動領域の教授活動については充実していないと認識していた。また,教授活動の質に関連する教員特性は,教員になった動機,教員経験年数,教員養成講習の受講,教員養成講習修了後年数,教員の実習担当科目と臨床経験領域の一致,年齢,所属する学校の地域であった。以上の結果から,今後の教師教育への重要な示唆が得られた。
ISSN:0917-6314
2432-0242
DOI:10.19015/jasne.5.1_22