1日間隔の鍼刺激が循環器系及び自律神経系に及ぼす影響

【目的】一般的に鍼治療は6日間隔で行われることが多いが、短期間に同様の刺激を行なった際の生体反応については不明確なことが多い。そこで、本研究は1日間隔で3日間の鍼刺激を行い、循環器系及び自律神経系に与える影響を調査した。【方法】被験者は健常成人男性8名(21±1.3歳)とし、測定項目は、心電図および心拍出量とした。鍼はステンレス鍼(40mm, 0.20mm, セイリン社製)を用い、経穴は足三里(ST36)とした。仰臥位で20分間の安静後、無刺激で計測を5分間行った。その後に鍼を一定速度で刺入し、強い皮下感覚が生じれば鍼を留め、なければ30mmまで刺入を行なった。鍼刺激後、計測を5分間行った。こ...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 338
Main Authors 宮本, 成生, 塩澤, 成弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual59.338

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Summary:【目的】一般的に鍼治療は6日間隔で行われることが多いが、短期間に同様の刺激を行なった際の生体反応については不明確なことが多い。そこで、本研究は1日間隔で3日間の鍼刺激を行い、循環器系及び自律神経系に与える影響を調査した。【方法】被験者は健常成人男性8名(21±1.3歳)とし、測定項目は、心電図および心拍出量とした。鍼はステンレス鍼(40mm, 0.20mm, セイリン社製)を用い、経穴は足三里(ST36)とした。仰臥位で20分間の安静後、無刺激で計測を5分間行った。その後に鍼を一定速度で刺入し、強い皮下感覚が生じれば鍼を留め、なければ30mmまで刺入を行なった。鍼刺激後、計測を5分間行った。このプロトコルを1日間隔で3日間、同時刻に実施した。二元配置分散分析を行い、事後検定は対応のあるt検定を行なった。【結果】心拍数と心拍出量で交互作用は認められないが、刺激前後で主効果が認められた(p<0.05)。心拍数は刺激2回目と3回目に有意な低下を示し、心拍出量は刺激1回目に有意な低下を示した(p<0.05)。自律神経系については有意な変化は認められなかった。【考察・結語】循環器系の反応は日毎に異なる反応を示した。自律神経系については有意な変化は認められなかったが、変化している傾向はあるため、被験者を増やしての検討が必要である。1日間隔での鍼刺激では、3日間で異なる生体反応を引き起こしており、治療を行う際には間隔も考慮する必要があると示唆された。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.338