ペダリング動作における負荷量とクランク長の変化が及ぼす筋電図学的検討;ケーススタディ

(はじめに)自転車や自転車エルゴメーターによるペダリング動作は、若年者から高齢者まで広範囲かつ、移動手段からトレーニング、リハビリテーション分野まで様々な場面で用いられる。その背景には、ペダリング動作が下肢荷重関節への負荷が少なく、コントロールされた運動を可能とするからである。しかし、クランク長の変化に伴い、ペダリング戦略は異なるため、それに伴い下肢筋活動は異なってくる。そこで今回、自転車エルゴメーターを用いて、異なるクランク長に対し負荷量の増減が与えるペダリング戦略と筋活動変化の特性を調査したので報告する。(方法)対象は、健常成人男性(23歳、175 cm、63 kg)1名とした。自転車エル...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 328
Main Authors 万野, 真伸, 塩澤, 成弘, 増田, 一太, 豊吉, 巧也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual59.328

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Summary:(はじめに)自転車や自転車エルゴメーターによるペダリング動作は、若年者から高齢者まで広範囲かつ、移動手段からトレーニング、リハビリテーション分野まで様々な場面で用いられる。その背景には、ペダリング動作が下肢荷重関節への負荷が少なく、コントロールされた運動を可能とするからである。しかし、クランク長の変化に伴い、ペダリング戦略は異なるため、それに伴い下肢筋活動は異なってくる。そこで今回、自転車エルゴメーターを用いて、異なるクランク長に対し負荷量の増減が与えるペダリング戦略と筋活動変化の特性を調査したので報告する。(方法)対象は、健常成人男性(23歳、175 cm、63 kg)1名とした。自転車エルゴメーターの負荷量は100Nと300Nとし、クランク長は125 mmと165 mmとした。筋電図計測の対象筋は大腿直筋、内・外側広筋、半腱様筋、大腿二頭筋とした。(結果)165 mm比べ125 mmクランクでは、負荷量の増大に伴い、内・外側広筋は、他の筋に比べに増加量が著しく大きかった。また300Nの負荷量では、165 mmに比べ125 mmクランクの方が、内・外側広筋の筋放電量が著明であったが、100Nではこの傾向は逆転していた。(考察)165mmクランク/300Nでの運動は、大腿直筋を抑制できるため、内・外側広筋を最も筋力強化できる組み合わせであることが分かった。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.328