腰痛に対する局所鍼治療と局所注射の比較 ランダム化比較試験

「I はじめに」鍼治療は急性, あるいは慢性の痛みに有効性を示す可能性が期待され, 鍼治療と痛みの抑制との関係に関する研究は数多くなされている1)~3). また, 腰痛に悩む患者は多く, 臨床上の経験として, 腰痛に対して鍼治療は効果を示す場合が多いことから, 腰痛に対する鍼治療の効果を明確にする目的で多くの比較試験がなされている4)~11). しかし, その中には鍼治療がプラセボ効果であるとする報告も散見され8)~10), 腰痛に対する鍼の効果は未だ明確にはされていないのが現状である. 一方, 整形外科やペインクリニックでは, 自覚的痛み部位や圧痛部位局所に局所麻酔薬を注射する方法が存在し,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 71; no. 4; pp. 211 - 220
Main Authors 井上, 基浩, 中島, 美和, 矢野, 忠, 糸井, 恵, 大橋, 鈴世
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 2008
日本温泉気候物理医学会
Online AccessGet full text
ISSN0029-0343
1884-3697
DOI10.11390/onki1962.71.211

Cover

More Information
Summary:「I はじめに」鍼治療は急性, あるいは慢性の痛みに有効性を示す可能性が期待され, 鍼治療と痛みの抑制との関係に関する研究は数多くなされている1)~3). また, 腰痛に悩む患者は多く, 臨床上の経験として, 腰痛に対して鍼治療は効果を示す場合が多いことから, 腰痛に対する鍼治療の効果を明確にする目的で多くの比較試験がなされている4)~11). しかし, その中には鍼治療がプラセボ効果であるとする報告も散見され8)~10), 腰痛に対する鍼の効果は未だ明確にはされていないのが現状である. 一方, 整形外科やペインクリニックでは, 自覚的痛み部位や圧痛部位局所に局所麻酔薬を注射する方法が存在し, 臨床的に汎用されている. また, その効果を示す報告も数多くなされている12)~13). これまでに行われてきた腰痛に対する鍼治療の比較試験では, 比較対照を偽鍼としたもの, 異なる部位への鍼治療の比較, あるいは鍼の刺入深度の違いによる効果の差を比較した報告が多い4)~11).
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.71.211