Micronomicinの静脈内投与によるモルモット内耳に対する影響

Micronomicin (MCR)を1日1回ずつ静脈内投与したモルモットの内耳に対する影響を明らかにするために, 25, 50, 100mg/kgの各投与群について耳介反射試験及び内耳の病理組織学的検索を行つて次の点を明らかにした。 1. 聴覚系末梢のラセン器に対するMCRの毒性は弱く, 投与量の増加によつてもラセン器の外有毛細胞の消失の頻度の著しい増加や拡大はみられなかつた。 2. 前庭器に対しては, MCRはラセン器に対するよりもより高い親和性を示していて, その親和性は投与量の増加につれて多少強くなる傾向を示した。 3. 前回行つた筋肉内投与実験との比較考察では, MCRの毒性はラセン...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 36; no. 1; pp. 182 - 188
Main Authors 秋吉, 正豊, 奈良, 哲次, 原, 卓司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 01.01.1983
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ISSN0368-2781
2186-5477
DOI10.11553/antibiotics1968b.36.182

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Summary:Micronomicin (MCR)を1日1回ずつ静脈内投与したモルモットの内耳に対する影響を明らかにするために, 25, 50, 100mg/kgの各投与群について耳介反射試験及び内耳の病理組織学的検索を行つて次の点を明らかにした。 1. 聴覚系末梢のラセン器に対するMCRの毒性は弱く, 投与量の増加によつてもラセン器の外有毛細胞の消失の頻度の著しい増加や拡大はみられなかつた。 2. 前庭器に対しては, MCRはラセン器に対するよりもより高い親和性を示していて, その親和性は投与量の増加につれて多少強くなる傾向を示した。 3. 前回行つた筋肉内投与実験との比較考察では, MCRの毒性はラセン器では静脈内投与によつて増強する危険は少ないようであるが, 前庭器では静脈内投与によつて多少増強する可能性が示唆された。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.36.182