日本の老化・老年病疫学への新たなストラテジー

日本の社会の高齢化は急速に進行している. アルッハイマー病, パーキンソン病, 骨粗鬆症などの老化に関わる疾患は直接死に結びつくわけではないが, 長期にわたって慢性的に進行し, 人格を崩壊させたり寝たきりにさせたり精神的に肉体的に本人や周囲の人々を苦しめる. 高齢者の数が飛躍的に増える中で, 高齢者の健康を守るための老年医学は, これからの日本の医学の中心になっていかねばならない. その老年医学の基礎を支えるエビデンスは疫学研究によって得られる. 平成9年から国立長寿医療研究センターにおいて老化および老年病の疫学研究 (NILS-LSA) が継続して行われ, 現在, 第3次調査を実施中である....

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Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 40; no. 6; pp. 569 - 572
Main Authors 安藤, 富士子, 下方, 浩史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 25.11.2003
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ISSN0300-9173
DOI10.3143/geriatrics.40.569

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Summary:日本の社会の高齢化は急速に進行している. アルッハイマー病, パーキンソン病, 骨粗鬆症などの老化に関わる疾患は直接死に結びつくわけではないが, 長期にわたって慢性的に進行し, 人格を崩壊させたり寝たきりにさせたり精神的に肉体的に本人や周囲の人々を苦しめる. 高齢者の数が飛躍的に増える中で, 高齢者の健康を守るための老年医学は, これからの日本の医学の中心になっていかねばならない. その老年医学の基礎を支えるエビデンスは疫学研究によって得られる. 平成9年から国立長寿医療研究センターにおいて老化および老年病の疫学研究 (NILS-LSA) が継続して行われ, 現在, 第3次調査を実施中である. NILS-LSAとその成果の一部を紹介し, 今後の日本の老年病疫学の新たなストラテジーのあり方を示す.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.40.569