立ち上がり動作における関節角度の測定 : 2種類の測定法による比較

端座位からの立ち上がり動作における関節角度の測定では, 3次元動作解析装置を使用して, 体表面上に取り付けたマーカー自体の座標点間を結んだ2本の線分がなす角度の計算値を用いた報告が多い。一方, マーカーの座標点から関節中心点の座標をモデル計算により求め, その関節中心の座標点から関節角度を算出する方法もある。今回我々は, 健常男性5名を対象に, この2種類の方法を用い, 立ち上がり動作時の下肢関節角度の測定値について比較検討を行った。その結果, 股関節角度は2つの測定法で, 座位時, 最大屈曲位, 立位時について各々の角度に有意差が認められ, これは角度の測定に脊柱の運動を含むか否かの違いと考...

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Published in東京保健科学学会誌 Vol. 1; no. 2; pp. 213 - 218
Main Authors 田口, 孝行, 柳澤, 健, 堀川, 博代, 金子, 誠喜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本保健科学学会 1999
Japan Academy of Health Sciences
Subjects
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ISSN1344-3844
2433-149X
DOI10.24531/jjhs.1.2_213

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Summary:端座位からの立ち上がり動作における関節角度の測定では, 3次元動作解析装置を使用して, 体表面上に取り付けたマーカー自体の座標点間を結んだ2本の線分がなす角度の計算値を用いた報告が多い。一方, マーカーの座標点から関節中心点の座標をモデル計算により求め, その関節中心の座標点から関節角度を算出する方法もある。今回我々は, 健常男性5名を対象に, この2種類の方法を用い, 立ち上がり動作時の下肢関節角度の測定値について比較検討を行った。その結果, 股関節角度は2つの測定法で, 座位時, 最大屈曲位, 立位時について各々の角度に有意差が認められ, これは角度の測定に脊柱の運動を含むか否かの違いと考えられた。足関節では, 最大背屈位と立位時の角度変化量に有意差が認められたことは, 2つの測定法で2本の線分を形成する座標点の違いによると考えられた。その他の比較した関節角度に有意差は認められなかった。
ISSN:1344-3844
2433-149X
DOI:10.24531/jjhs.1.2_213