電撃様関節痛と開口障害が長期に持続した顎関節症の1例
患者は38歳女性で開口障害と左側顎関節痛を主訴に来院した。MR画像にて両側非復位性円板前方転位,closed lockを認め,パンピングマニピュレーション施行後,一時的には十分な開口距離を得られ関節痛も軽減したが,関節痛が増悪し,開口距離の低下と電撃様の関節痛と前頭部の自発痛を呈した。そこで洗浄療法,スプリントのさらなる咬合挙上,ヒアルロン酸ナトリウム連続注入療法を施行するも奏功せず,関節円板の癒着を疑い,鏡視下剥離授動術を施行した。両側に滑膜炎と癒着病変を認め,特に左側は著明であった。術後開口訓練を積極的に行い,術後7週で開口距離53 mm,術後3か月には電撃様関節痛が完全に消失した。術後よ...
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Published in | TMJ : journal of Japanese Society for Temporomandibular Joint = 日本顎関節学会雑誌 Vol. 24; no. 2; pp. 100 - 104 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本顎関節学会
2012
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Subjects | |
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ISSN | 0915-3004 1884-4308 |
DOI | 10.11246/gakukansetsu.24.100 |
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Summary: | 患者は38歳女性で開口障害と左側顎関節痛を主訴に来院した。MR画像にて両側非復位性円板前方転位,closed lockを認め,パンピングマニピュレーション施行後,一時的には十分な開口距離を得られ関節痛も軽減したが,関節痛が増悪し,開口距離の低下と電撃様の関節痛と前頭部の自発痛を呈した。そこで洗浄療法,スプリントのさらなる咬合挙上,ヒアルロン酸ナトリウム連続注入療法を施行するも奏功せず,関節円板の癒着を疑い,鏡視下剥離授動術を施行した。両側に滑膜炎と癒着病変を認め,特に左側は著明であった。術後開口訓練を積極的に行い,術後7週で開口距離53 mm,術後3か月には電撃様関節痛が完全に消失した。術後より不安症状が強く,心療内科での加療後不安症状の軽減に伴い関節痛も軽減した。 |
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ISSN: | 0915-3004 1884-4308 |
DOI: | 10.11246/gakukansetsu.24.100 |