腎機能を考慮したpharmacokinetics/pharmacodynamics (PKIPD) に基づいたメロペネムの投与法に関する検討

ロペネムは腎排泄型のカルバペネム系薬であるため, PK-PD理論に基づく適正な投与方法の検討をおこなう場合, 腎機能の影響を考慮したシミュレーションを用いればより精度が高く現実の臨床に近い検討結果が得られると考えられる。今回, 腎機能を考慮したメロペネムの体内動態 (pharmacokinetics: PK) パラメータを用いてシミュレーションを実施し腎機能がTime above MIC (T>MIC) にどの様な影響を与えるかについて検討した。血清クレアチニンを0.5, 1.0, 1.5, 2.0mg/dLに設定し菌のMICを4μg/mLに設定した場合, Time above MICを...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 59; no. 6; pp. 459 - 467
Main Authors 三鴨, 廣繁, 渡邉, 邦友, 田中, 香お里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 25.12.2006
Online AccessGet full text
ISSN0368-2781
2186-5477
DOI10.11553/antibiotics1968b.59.459

Cover

More Information
Summary:ロペネムは腎排泄型のカルバペネム系薬であるため, PK-PD理論に基づく適正な投与方法の検討をおこなう場合, 腎機能の影響を考慮したシミュレーションを用いればより精度が高く現実の臨床に近い検討結果が得られると考えられる。今回, 腎機能を考慮したメロペネムの体内動態 (pharmacokinetics: PK) パラメータを用いてシミュレーションを実施し腎機能がTime above MIC (T>MIC) にどの様な影響を与えるかについて検討した。血清クレアチニンを0.5, 1.0, 1.5, 2.0mg/dLに設定し菌のMICを4μg/mLに設定した場合, Time above MICを上回る割合 (%T>MIC) はそれぞれ18.9%, 35.0%, 49.4%, 61.1%と増大する結果が得られた。さらに, メロペネムで感染症治療を行なった3例の腹膜炎患者において, 腎機能および投与方法と臨床効果の関連について検討した。今回の結果よりPK/PD理論に基づく抗菌薬の適正使用を検討する際, 腎機能の影響を考慮したシミュレーションを用いればより現実の臨床に近い検討結果が得られる事が示唆された。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.59.459