カルガリー家族介入モデルを活用した看護ケアの検討 複数の疾患をもち直腸癌術後に硬膜下血腫を併発した事例を通して
入院中の患者にとって家族のサポートは回復力や生命力の支えとなり, その影響は大きい.今回, 複数の疾患をもつ患者が何度も急変したという経過中, 継続的にサポートする家族を支えた我々看護者は家族を一単位として捉える家族看護を経験した. この事例は数年前から慢性腎不全状態となり, 週3回の血液透析を継続しながら直腸ストーマ造設術を受け, 術後47病日に硬膜下血腫を併発し, ICUに2回入室, 入院から約3か月後に病棟でのリハビリ開始となった66歳の女性患者である.この患者と家族を支えた家族介入の効果を明らかにすることを目的として, 看護の経過をカルガリー家族介入モデルにより分析した結果, 家族看護...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 51; no. 1; pp. 43 - 47 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
01.01.2001
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Subjects | |
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ISSN | 1343-2826 1881-1191 |
DOI | 10.2974/kmj.51.43 |
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Summary: | 入院中の患者にとって家族のサポートは回復力や生命力の支えとなり, その影響は大きい.今回, 複数の疾患をもつ患者が何度も急変したという経過中, 継続的にサポートする家族を支えた我々看護者は家族を一単位として捉える家族看護を経験した. この事例は数年前から慢性腎不全状態となり, 週3回の血液透析を継続しながら直腸ストーマ造設術を受け, 術後47病日に硬膜下血腫を併発し, ICUに2回入室, 入院から約3か月後に病棟でのリハビリ開始となった66歳の女性患者である.この患者と家族を支えた家族介入の効果を明らかにすることを目的として, 看護の経過をカルガリー家族介入モデルにより分析した結果, 家族看護の効果を認めた. 今後, 高齢化社会という状況の中で, 本事例のように複数の疾患をもち, 重症化しやすい患者が増加すると予測できる.患者と家族は一単位であり, システムと考えた家族介入に関する研究をさらに継続していきたい. |
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ISSN: | 1343-2826 1881-1191 |
DOI: | 10.2974/kmj.51.43 |