高齢者の呼吸リハビリテーション

本邦の呼吸リハビリテーションには急性期呼吸器疾患に対するリハビリテーションと慢性期呼吸器疾患に対するリハビリテーションの両方を指す.急性期呼吸器疾患に対するリハビリテーションの主体は肺炎に対するリハビリテーションであり,嚥下リハビリテーションが重要な意味を持つ.慢性呼吸器疾患患者は共通して呼吸困難のために身体活動性が低下し,骨格筋廃用をもたらし更なる呼吸困難を生じるという悪循環・負のスパイラルを導き,結果的に予後の悪化につながる.この負のスパイラルを断ち切るのが,慢性期呼吸器疾患に対する呼吸リハビリテーションである.呼吸リハビリテーションの均霑化と継続性が今後の課題と思われる....

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Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 55; no. 3; pp. 311 - 318
Main Author 海老原, 覚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 25.07.2018
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ISSN0300-9173
DOI10.3143/geriatrics.55.311

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Summary:本邦の呼吸リハビリテーションには急性期呼吸器疾患に対するリハビリテーションと慢性期呼吸器疾患に対するリハビリテーションの両方を指す.急性期呼吸器疾患に対するリハビリテーションの主体は肺炎に対するリハビリテーションであり,嚥下リハビリテーションが重要な意味を持つ.慢性呼吸器疾患患者は共通して呼吸困難のために身体活動性が低下し,骨格筋廃用をもたらし更なる呼吸困難を生じるという悪循環・負のスパイラルを導き,結果的に予後の悪化につながる.この負のスパイラルを断ち切るのが,慢性期呼吸器疾患に対する呼吸リハビリテーションである.呼吸リハビリテーションの均霑化と継続性が今後の課題と思われる.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.55.311