認知症高齢者の家族介護者の介護評価と対処方法

本研究の目的は,認知症高齢者の家族介護者(以下介護者と略す)の支援への示唆を得るために,介護者の介護評価と対処方法の特性について検討した。介護施設に通所している認知症の症状のある高齢者と同居している主介護者401名に質問紙調査を行い,回収率は60.3%(242名)であった。その結果,認知症の症状に対応できる介護者は肯定的評価が高く(p=.000),否定的評価が低く(p=.001),さまざまな対処方法を活用していた(p=.000)。認知症の症状に対応できない介護者は,認知症の症状がわからない(p=.000),相談相手がいない(p=.032)介護者に多かった。介護評価と対処方法の関連は,肯定的評価...

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Bibliographic Details
Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 34; no. 5; pp. 5_41 - 5_49
Main Authors 菅沼, 真由美, 佐藤, みつ子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.12.2011
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20110906005

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Summary:本研究の目的は,認知症高齢者の家族介護者(以下介護者と略す)の支援への示唆を得るために,介護者の介護評価と対処方法の特性について検討した。介護施設に通所している認知症の症状のある高齢者と同居している主介護者401名に質問紙調査を行い,回収率は60.3%(242名)であった。その結果,認知症の症状に対応できる介護者は肯定的評価が高く(p=.000),否定的評価が低く(p=.001),さまざまな対処方法を活用していた(p=.000)。認知症の症状に対応できない介護者は,認知症の症状がわからない(p=.000),相談相手がいない(p=.032)介護者に多かった。介護評価と対処方法の関連は,肯定的評価と対処方法はやや強い正の相関(p<.01),否定的評価と対処方法は弱い負の相関(p<.01)が認められた。このことから,肯定的評価を高め否定的評価を軽減するためには,認知症の症状に対応できること,多様な対処方法がとれるように支援する必要性が示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20110906005