病院のリスクマネジャの現状の取り組みと課題に関する研究

医療施設において、安全な医療を提供するための組織的対策は重要な責務であり、リスクマネジャ (以下: RM) が活動の中心的役割を担っている。2002年以来、医療機関の安全管理体制の確保が義務づけられ、各医療機関では大きな事故は減ったものの、ミスは繰り返されており、日常業務の中での安全確認行動の定着が課題である。また、大規模病院では、RMの数や、教育体制が整っているが、他の病院でのRMの取り組みは明らかになっていない。 本研究の目的は、RMの活動の実態を知るとともに課題を明確にすることである。 方法はアンケートとグループインタビューから得られたデータを分析しカテゴリー化を行った。 その結果、RM...

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Published in日本医療マネジメント学会雑誌 Vol. 9; no. 4; pp. 497 - 503
Main Authors 柴崎, 敦, 貝瀬, 友子, 山元, 友子, 駒崎, 俊剛, 新野, 由子, 真下, 綾子, 堀川, 慶子, 坂本, すが
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会 01.03.2009
日本医療マネジメント学会
Subjects
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ISSN1881-2503
1884-6807
DOI10.11191/jhm2006.9.497

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Summary:医療施設において、安全な医療を提供するための組織的対策は重要な責務であり、リスクマネジャ (以下: RM) が活動の中心的役割を担っている。2002年以来、医療機関の安全管理体制の確保が義務づけられ、各医療機関では大きな事故は減ったものの、ミスは繰り返されており、日常業務の中での安全確認行動の定着が課題である。また、大規模病院では、RMの数や、教育体制が整っているが、他の病院でのRMの取り組みは明らかになっていない。 本研究の目的は、RMの活動の実態を知るとともに課題を明確にすることである。 方法はアンケートとグループインタビューから得られたデータを分析しカテゴリー化を行った。 その結果、RMは医療安全に対する取り組みを行っているが、活動における様々なレベルでの支援を求めていることがわかった。今後、RMを支援するための情報源やコンサルテーション等のシステム体制、さらにRMとして自立し、創造的な活動を可能にする多職種合同での体験型研修などが必要である。
ISSN:1881-2503
1884-6807
DOI:10.11191/jhm2006.9.497