大学附属病院の看護職におけるSense of Coherenceと労働環境満足度・看護臨床能力との関連
大学病院の看護職509名を対象にSense of Coherence(SOC)と職場内の労働環境満足度,看護臨床能力との関連を検討した。調査内容は,『SOC-13日本語版』(有意味感,把握可能感,処理可能感),労働環境や職務満足度,看護臨床能力(『教育ニードアセスメントツール』と『卓越性自己評価尺度』)であり,自記式質問紙調査を行った。その結果,「把握可能感」と職場での人間関係,職務やワーク・ライフ・バランスに関する満足度との弱い正の相関が確認された。さらに看護臨床能力の高い看護師ほど「把握可能感」が高く,労働環境満足度も高かった。これらから看護臨床能力の向上には,価値観が共有でき集団帰属感を...
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Published in | 日本看護研究学会雑誌 Vol. 35; no. 2; pp. 2_19 - 2_25 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本看護研究学会
01.06.2012
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Subjects | |
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ISSN | 2188-3599 2189-6100 |
DOI | 10.15065/jjsnr.20120229003 |
Cover
Summary: | 大学病院の看護職509名を対象にSense of Coherence(SOC)と職場内の労働環境満足度,看護臨床能力との関連を検討した。調査内容は,『SOC-13日本語版』(有意味感,把握可能感,処理可能感),労働環境や職務満足度,看護臨床能力(『教育ニードアセスメントツール』と『卓越性自己評価尺度』)であり,自記式質問紙調査を行った。その結果,「把握可能感」と職場での人間関係,職務やワーク・ライフ・バランスに関する満足度との弱い正の相関が確認された。さらに看護臨床能力の高い看護師ほど「把握可能感」が高く,労働環境満足度も高かった。これらから看護臨床能力の向上には,価値観が共有でき集団帰属感を高められるような職場の関係性や労務対償性の保障に加え,明確な規範や評価基準が整備された環境での経験の蓄積の重要性が示唆された。 |
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ISSN: | 2188-3599 2189-6100 |
DOI: | 10.15065/jjsnr.20120229003 |