要支援・軽度要介護高齢者の主観的QOLと高次生活機能の関連要因の検討
目的:本研究は,通所サービスを利用する要支援・軽度要介護高齢者における主観的QOLと高次生活機能の関連要因について検討することを目的とした.方法:対象は通所サービスを利用する65歳以上の要支援・軽度要介護(要介護1,2)計238名とした.基本属性,社会的背景(趣味,JST版活動能力指標)と主観的QOL評価(PGCモラールスケール)は研究者が面接により聴取した.分析方法は,男女2群間の比較にはt検定とχ2検定を用いた.さらに,性別,年齢,趣味,食事を共にする人数,JST版活動能力指標(新しい機器の利用,情報収集,生活マネジメント,社会参加)を独立変数,主観的QOLを従属変数とした重回帰分析を行っ...
Saved in:
Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 55; no. 2; pp. 276 - 283 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年医学会
25.04.2018
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0300-9173 |
DOI | 10.3143/geriatrics.55.276 |
Cover
Summary: | 目的:本研究は,通所サービスを利用する要支援・軽度要介護高齢者における主観的QOLと高次生活機能の関連要因について検討することを目的とした.方法:対象は通所サービスを利用する65歳以上の要支援・軽度要介護(要介護1,2)計238名とした.基本属性,社会的背景(趣味,JST版活動能力指標)と主観的QOL評価(PGCモラールスケール)は研究者が面接により聴取した.分析方法は,男女2群間の比較にはt検定とχ2検定を用いた.さらに,性別,年齢,趣味,食事を共にする人数,JST版活動能力指標(新しい機器の利用,情報収集,生活マネジメント,社会参加)を独立変数,主観的QOLを従属変数とした重回帰分析を行った.結果:男女の2群比較では,主観的QOLには差が認められなかったが,食事を共にする人数に有意な差が認められた.JST活動能力指標の細項目の社会参加(標準化偏回帰係数:0.26 95%信頼区間:0.14,0.38),生活マネジメント(標準化偏回帰係数:0.23 95%信頼区間:0.09,0.37)の得点が高くおよび趣味がある(標準化偏回帰係数:0.20 95%信頼区間:0.09,0.32)ほど主観的QOLが高い傾向が認められた.結論:要支援・軽度要介護高齢者においては,高次生活機能のなかでも生活マネジメントと社会参加,趣味の有無が主観的QOLに関与する可能性が示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0300-9173 |
DOI: | 10.3143/geriatrics.55.276 |